夜中に犬に起こった奇妙な事件夜中に犬に起こった奇妙な事件
著者:マーク ハッドン
早川書房(2007-02-28)
販売元:Amazon.co.jp

数学や物理では天才なのに、他人とうまくつきあえない自閉症の少年クリストファー。お母さんを心臓発作で亡くした彼は、お父さんとふたり暮らし。宇宙飛行士が将来の夢だ。ある夜、隣の家の飼い犬が殺された。シャーロック・ホームズが大好きなクリストファーは探偵となって犯人を捜し、その過程を一冊の本にまとめようと心に決める。お父さんは反対するし、人との会話もすごく苦手だし、外を出歩いた経験もほとんどない。でも、彼の決意はゆるがない。たぐいまれな記憶力を使って、クリストファーは調査を進めるが、勇気ある彼がたどり着いたのはあまりに哀しい真実だった…。冒険を通じて成長する少年の心を鮮烈に描き、ウィットブレッド賞ほか数々の文学賞を受賞した話題作。

読みました。剛君の誕生日に読み終えるなんて…偶然ですけども←
面白かったです。こういう作品だったんですねー。
剛君がこの作品の舞台をすると決まらなければ私は手に取らなかった作品だったと思います。外国作品自体あまり読まないので…
この作品はクリストファー目線で終始語られるので、正直読みにくかったです。クリストファーの考えていることが難しかったり不思議だったり文章が読み取りにくかったり。読んでいて「アルジャーノンに花束を」を思い出しました。あの作品は最初凄く読みにくくて途中読みやすくなってまた読みにくくなりますけどこの作品はずっと同じ^^;
ミステリと言えばミステリなんですけど全体のテーマはクリストファーの成長であり冒険を描いた物語なんですね。
ウエリントンの犯人を本人は捜査してるつもりなんだろうけどもう言動が怪しすぎて読んでいるこっちはハラハラしました^^;そのあとにもっとハラハラする展開になるのだけど。最後まで読み終えてほっとした感じ。
自閉症、アスペルガー症候群、病気の名前は一言で言えますが症状は人によってそれぞれで、考え方も重度も異なり、また見た目は健常者と呼ばれる人間と同じだから勘違いされやすい。クリストファーの場合記憶力や数字に関しての能力が素晴らしく、上級試験を受けられるほど。
アスペルガー症候群のイメージってあくまで私の意見ですけどふんわりした曖昧な感情とか人の心の中とかそういう予測が出来ないからはっきり言ってくれないと理解できない印象があります。クリストファーもそうでした。両親に対しても学校の先生に対してもちゃんと言葉で伝えないと理解が出来ない。難しい問題ですね。
クリストファーは理解できなかったみたいだけど、両親は両親なりに、ちゃんとクリストファーを愛していて真摯に向き合っていると思いました。感情があらわになったり手が出てしまうこともあったけど、仕方がなかったのかな…。どう接していいかわからなくて分かってほしくて…という想いは伝わってきたから素直に手を出すのはダメ!とは思えなかったです。
この今の両親の想いがクリストファーに伝わっていれば!ともどかしくなるシーンもたくさんありました。
クリストファーの能力を生かしてこれから家族みんなが幸せに生きていくことが出来ればいいなと思いながら読み終えました。
この作品…どうやって舞台にするんだろう。観たいなぁ。剛君がどう演じるかとても楽しみ。癇癪起こしたりパニックになるシーンを凄く見たい←
どんな髪型になるのかなー。可愛くするんだろうなぁ。剛健でまた双子ちゃんになっちゃうんでしょ。いやーもう楽しみ!(論点がずれてきている)

〈早川書房 2007.2〉H26.2.20読了