祈りの幕が下りる時祈りの幕が下りる時
著者:東野 圭吾
講談社(2013-09-13)
販売元:Amazon.co.jp

悲劇なんかじゃない これがわたしの人生。極限まで追いつめられた時、人は何を思うのか。夢見た舞台を実現させた女性演出家。彼女を訪ねた幼なじみが、数日後、遺体となって発見された。数々の人生が絡み合う謎に、捜査は混迷を極めるが…。

読まれた皆様おっしゃっていますが、この作品が加賀恭一郎シリーズとは知りませんでした。読まれた方の感想をちらっと拝見して知った次第です。
しかも加賀刑事の結構な内部の部分が垣間見える作品だったので、加賀ファンとしてはたまりませんでした。加賀刑事のお母さんの事はすっかり忘れていました。お父さんとの確執は何となく覚えていましたけども・・・お母さんの境遇は可哀想でしたけど、でも不幸ではなかったと思いました。
そして事件。犯人は何となく分かっていくんですけど、でも真相がまたややこしくて鈍くてゆるい私の頭では相関図をまとめるのが大変でした^^;
壮絶な親子の物語。固い固い絆で結ばれていた親子の最後が切なくて悲しかったです。でも、1番可哀想だなと思ったのは被害者の女性かな。ちょっとのおせっかいがこんな悲劇になってしまうのはやっぱり悲しいです。
事件を粘り強く捜査して真相へ導いた加賀刑事はやはり素晴らしい刑事でしたね。日本橋にものすごく溶け込む努力をしていてなんでかなと思っていたのですが、こういう理由がちゃんとあったんですね。
事件については面白くてよかったんですけど…
加賀刑事シリーズを最初から読んでいる身としてはやはり恋愛部分が気になります。
「赤い指」あたりから登場したあの看護師さん、いい年なのかと思ったら30代だったんですね〜…
凄くいい人だとは思うんですけど、普通だったらずっと独身を貫いている加賀刑事と良い仲になってもいいんですけど…本当にこの2人は恋愛が始まるんでしょうか。まだ恋愛が始まった段階じゃないですよね。
日本橋署に赴任したのは「ある殺人事件の裁判で、弁護側の情状証人として出廷した」からですよね。これは未緒の事件かと思ったのですが母親の真相を知るために日本橋へ来たと考えたら違う事件だったんでしょうか。この文面に未緒の事が気になっていた身としてはすごくうれしかったんですけど、考えすぎだったんですかね…
と、微妙に関係ないところでモヤモヤしてしまったのが残念でした^^;
加賀刑事は未緒を待っているから独身を貫いていると信じていたのに…。
正直ショックを隠し切れません…。
ストーリーはとても面白かったです。
加賀刑事ついに本庁に返り咲きですね。

〈講談社 2013.9〉H25.12.10読了