ルリユール (一般書)ルリユール (一般書)
著者:村山 早紀
ポプラ社(2013-10-11)
販売元:Amazon.co.jp

オススメ!黒猫工房では、あなたの大切な本を修復いたします。魔法のような手わざ、傷んだ過去の思い出も、静かに包み込んで―本を愛するひとの美しく不思議な物語。

村山さんの作品は2冊目です(多分)
「ルリユール」という本のタイトルを見てすぐに「読みたい!」と思いました。
ルリユールとはフランス語で製本、装幀のことです。
「ユリユールおじさん」という絵本が大好きで、その物語を想像しながら読みました。
主人公は13歳の瑠璃という少女。
叔母が亡くなり新盆で祖母のいる風早という街にやってきます。そこで、洋館で暮らすクラウディアという女性に出会います。その方はルリユールでどんな本でも直せるといいます。
そんな館へ本の依頼にやってくる人たち。その人たちの物語も切なくて温かかったです。
瑠璃の大好きな本を作っている出版社に勤める時林さんに親友から借りていた本を直してほしいという大竹さん。お父さんとお母さんを死なせてしまったと悲しんでいる智史君。
自分の事ではなく相手のことを思っている心優しい人たちだからこそ、このルリユールのいる「黒猫工房」へ来ることができたのかなと思います。
瑠璃もとてもいい子ですね。出生の秘密を抱えつつも、前を向いて生きてる。素敵な子でした。
最近本の修繕に関する書籍や映画によく遭遇します。その度に何だか心が温かくなります。瑠璃にとってもクラウディアにとっても本は大切な存在だけど、私にとっても本はなくてはならない、大切なものです。

p.163「世の中というのはね、真っ当に生きてさえいれば、物語のようにうまくまわっていくものなのよ」
p.171「不幸にして挫折することがあっても、あきらめず立ち上がってください」

<ポプラ社 2013.10>H25.11.13読了