どうしても嫌いな人 すーちゃんの決心 (幻冬舎文庫)どうしても嫌いな人 すーちゃんの決心 (幻冬舎文庫)
著者:益田 ミリ
幻冬舎(2013-04-10)
販売元:Amazon.co.jp

その人のことを思い出すだけで、心の中がざわざわしてくる。カフェの店長になって2年目のすーちゃん36歳には、どうしても好きになれない人がいる。いとこのあかねちゃん30歳もまた、苦手な先輩にイライラ……。クラス替えも卒業もない大人の社会で、人は嫌いな人とどう折り合いをつけて生きているのか。ベストセラー4コマ漫画第3弾。

すーちゃんシリーズはわかるわかると思う部分がリアルで読むのが少し怖くなる時があります。でも今回は違いました。
ものすごく分かります。同じ職場で働いていたら毎日顔を合わせなきゃいけないし付き合わなきゃいけない。しょうがないと割り切れればいいですが割り切れないところもありますよね。
あかねちゃんの気持ちもわかります。私は結婚の予定がないからその道に逃げる事はないけど、結婚している人には失礼ですがこんなにつらい仕事を続けなければいけないなら結婚したいって思ったことはあります。新卒の若いころですけど。
あかねちゃんの両親はちょっとイラっとしますね。言われなくてもわかってるよと思います。何をしても「嫁の貰い手が…」ってウザい!って思います。親に「妹に先こされちゃったね」なんて言われたら、私は立ち直れないかも。親戚に言われただけでも予想していたにもかかわらずちょっとショックだったのに。私は結婚しない発言をしているから本心はどう思っているかわかりませんが親は何も言わないのでそこはラクです。まあ、妹の方が先にいったかとは思ってると思いますけどね。言わないでくれているのはありがたいと思います。
私もいます。どうしても嫌いな人。好きになれない人。
私に話しかけるときは職場の人の悪口か自分の愚痴か溜息しかつかない人。
私の方が遅く入社したので同い年ですが先輩で、向こうは偉そうにしている訳ではありませんし、すーちゃんの同僚のように私の悪口を言っている訳ではありません。
それでもねー、入って2日目から職場の悪い状況や特定の人の悪口をずーっと聞いてるっていうのはつらいものがあります。その特定の人は私自身が被害を被っている訳ではないので勝手に悪いイメージがついてしまって申し訳ないと思うくらい。
それにいつも悪口を言っていたら私の悪口もどこかで言ってるのかも…なんて思っちゃいますよね。
一度愚痴を聞くのがつらすぎて、皮肉めいて「そんなに溜息ついていたら幸せが逃げていきますよ」って言ったことがありました。そしたら「もう幸せじゃないからいいんだ〜」ですって。
私自身は愚痴を聞くのが嫌なのでなるべく言わないようにしています。体調が悪い時も本当に体調が悪くてしょうがない時以外は言わないようにしています。きれいごとかもしれないですが。我慢できなくて言っちゃうときもありますけど。
だから本当に最初の頃は愚痴ばかりなのがつらくてつらくてしょうがなかったです。せっかくの新しい職場で頑張ろうとしているのに尚更^^;最近はほんの少しだけ受け流せるようになりましたが。
誰かさんが苦手な人でもその人のつむじを見れば可愛いと思ってしまって苦手じゃなくなるなんて言ってましたけど、私は出来ません。そう思える誰かさんは本当にすごいなと思います。でも私は出来ません。
逃げてしまうのは凄く癪で悔しいけど、逃げてしまっていいと思います。だからすーちゃんの決心は私は間違っていないと思います。最後のお母さんの言葉も凄く良かったです。
何だか今の自分に重なる部分もあったりして、私の気持ちも少しだけ晴れた気がしました。

〈幻冬舎 2010.8〉H25.10.29読了