フランケンシュタイン (光文社古典新訳文庫)フランケンシュタイン (光文社古典新訳文庫)
著者:メアリー シェリー
光文社(2010-10-13)
販売元:Amazon.co.jp

天才科学者フランケンシュタインは生命の秘密を探り当て、ついに人造人間を生み出すことに成功する。しかし誕生した生物は、その醜悪な姿のためフランケンシュタインに見捨てられる。やがて知性と感情を獲得した「怪物」は、人間の理解と愛を求めるが、拒絶され疎外されて…。若き女性作家が書いた最も哀切な“怪奇小説”

私事ですが、昨日『Forever Plaid』を観に行ってきました。その感想は後ほど書くとして。
東京へ行く際に持って行ったのがこの本でした。開場前、雨の中外でこの本を読みながら待ってました。健全なファンでしょ?^m^
冗談は置いておいて、なんとなくストーリーは知っていましたが改めて読んだのは初めてでした。
最後に訳者のあとがきが書かれていたのですが「作品名ほど著者の名前が有名ではない」「フランケンシュタインは怪物の名前だと思っている人が多い」と書いてあり、私はバッチリ当てはまる人間でした^^;
著者さんの名前は初めて知りましたし、女性だとは思っていませんでした。
更にフランケンシュタインは怪物の名前だと思っていました。怪物は怪物なんですね。
ってダブル主演の部分で役名が書かれていただろうに気付かなかった私。先入観とは恐ろしいものです。
改めて知ることができて、まーに感謝ですね。
ということで感想です。
訳者さんも書かれていましたが、私も読む前は怪奇小説だと思っていたのですが、そうではなく悲しい小説だと思いました。
「どうして私を造ったのか」それがそもそもの始まりで、フランケンシュタインは自分が想像していたものとは違う生命体を作り上げてしまった。そして怪物は自分がどうして生まれてきたのか、人から疎まれるのか、命を狙われるのか、その想いを繰り返し自問自答しながら創造主を探すことだけを糧として生きていきます。
もしも怪物が普通の容姿で生まれてきていれば、そもそもこんな不幸で悲しい物語にはならなかった。愛情と共感を知って生まれてきたのだから、悪魔と呼ばれる行為をすることもなかった。
フランケンシュタインが精神を病むくらい逃げて後悔してしまって、自業自得だと言ってしまえばそれまでなのだけど、逃げてしまう気持ちもわかって、ひどい後悔に苛まれていることも伝わってきて。
うまく言えないけど、ただただ切なくて悲しかったです。
後悔の念を叫ぶフランケンシュタインの言葉も切なかったけど、私は怪物の言葉のほうが胸に突き刺さりました。
ヒガシさんとまーは、フランケンシュタインと怪物をどのように演じるのでしょうね。
今から凄く楽しみです。

そういえば、『Forever Plaid』を見たときにフライヤーがあったんですけど、やっぱり2人は美しくてあのビジュアルにギャーなりました^^;
怪物をどう表現するんでしょうね。二人とも美しいのに…←

〈光文社 2010.10(原作1818年出版)〉H25.10.5読了