
著者:三木 笙子
講談社(2013-05-23)
販売元:Amazon.co.jp
同級生の大地に誘われて地学部に入部した、高校一年生の徹。鉱石の話になると途端に饒舌になる彼と過ごすうちに、徹は大地が持つ不思議な「力」を知ることに。特定の石に触れると、前の所有者の記憶を読むことができるのだ。大地は、同じ力の持ち主である祖父・伝から記憶を受け継ぎ、昔、祖父が親友と交わした、当てのない約束を守り続けていた。話を聞いた徹は、大地を約束から解放したいと願い、ある決意をする―。水晶、瑪瑙、琥珀、翡翠…、鉱物が照らし出す真実とは。
良いなぁ。良いなぁ。三木さんの作品は小説が好きでよかったって思わせてくれます。幸せな気持ちで読めます。何でしょうね。内容もなんですけど、三木さんの小説って文章がとても綺麗なんです。だから読んでいて嬉しくなる。雰囲気も私にはたまりません^m^
作家さんも違いますし、内容も全然違うんですけど、徹と大地の関係が瀬名垣と真志喜みたいな感じがしてきゅんきゅんしちゃいました^m^「月魚」が好きな人は絶対この作品も好きになると思います。たぶん。
三木さんがテーマとして挙げられるものがいつも興味深くてそれも好きです。今回は石ですか。石がテーマも幻想的ですし、内容が百年以上抱えている想いなわけですよ。たまらないです。良治と伝、航と賢一、そして徹と大地。それぞれの関係性が良かったです。
でも、私は最初から、恨んでなんかいないと思いましたよ。深い深い信頼を持った2人なんですから、そう簡単に絆は消えません。
だからドキドキしましたけど、最後はその百年にわたる想いがちゃんと終えられそうで良かったです。ここでおわりかよ!もっと読ませろ!とも思いましたけど^m^
〈講談社 2013.5〉H25.9.25読了