わたしたちが少女と呼ばれていた頃 (碓氷優佳シリーズ)わたしたちが少女と呼ばれていた頃 (碓氷優佳シリーズ)
著者:石持 浅海
祥伝社(2013-05-16)
販売元:Amazon.co.jp

新学期、横浜にある女子高の特進クラスで上杉小春は碓氷優佳という美少女に出会う。おしゃべりな小春とクールな優佳はやがて親友に―。二学期の中間試験で、東海林奈美絵が成績を急上昇させた。どうやら、夏休み中にできた彼氏に理由があるらしい。だが校則では男女交際は停学処分だ。気をもむ小春をよそに平然とする優佳。奈美絵のひと夏の恋の結末を優佳は見切ったようで…(「夏休み」)。教室のどこかで、生まれ続ける秘密。少女と大人の間を揺れ動きながら成長していくきらめきに満ちた3年間を描く青春ミステリー。

碓井優佳の少女時代のお話です。読むのを楽しみにしていました。
連作短編集で徐々に時間が経過していきます。碓井由佳たちの高校3年間の物語です。
主人公は上杉小春で、優佳は第三者として描かれています。それが良かったです。
優佳は中高一貫の女子高に高校から一般受験で入ってきた立場。小春は始め知らない人がいるという興味本位で優佳に話しかけます。それから仲良くなり、徐々に優佳の推理力、想像力のすごさを目の当たりにしていきます。
そして、最後には優佳の本人も気づいていないかもしれない感情を悟ります。
この本を読んでいて「扉は閉ざされたまま」を無性に読み返したくなりました。伏線となる場面がたくさん登場したので。そしてこの本を読んだのは今から6年前。うっすらと覚えているものの詳細は全くです。
優佳はこんなに前から彼のことを想っていたんですね。
たくさんの友人が出来て、綺麗でいい子だと周りからも思われていたけど、最後の最後で1番仲の良かった子が優佳の本性に気づいてしまった。それは知らないままのほうがよかったのかな…
短編集でしたがどのお話も面白かったです。頭のいい子たちのことだからすごすぎるエピソードもあったけど、でも青春だなぁと思って可愛らしいなと思いました。
ただ一ついうならば、装丁を含めイラストがちょっとかわいすぎたかな。石持さんの作品でそれほどイラストがあるのがないのでちょっと違和感。ラノベっぽい印象を受けちゃうなと思いました。ラノベがダメなんじゃないですよ。石持さんの作品だと思うと違和感があるなと思うということです。
積読本がたくさんあるけど「扉は閉ざされたまま」を読み返そうかな。

〈祥伝社 2013.5〉H25.9.22読了