
著者:東野 圭吾
PHP研究所(2013-04-18)
販売元:Amazon.co.jp
独り暮らしをしていた老人・秋山周治が何者かに殺された。遺体の第一発見者は孫娘の梨乃。梨乃は祖父の死後、庭から消えた黄色い花のことが気にかかり、ブログにアップする。ブログを見て近づいてきたのが、警察庁に勤務する蒲生要介。その弟・蒼太と知り合った梨乃は、蒼太とともに、事件の真相と黄色い花の謎解明に向けて動き出す。西荻窪署の刑事・早瀬らも、事件の謎を追うが、そこには別の思いもあった。
「こんなに時間をかけ、考えた作品は他にない」と著者自らが語る長編ミステリ。
面白かったです!
色んな登場人物が独自に事件を捜査していてそれが次第に一つになる展開が、先が気になって気になって読む手が止まりませんでした。一気読みでした。
この作品、10年前に連載されていた作品なんですね。そしてほぼ全面改稿だとか。
蒼太がよくタブレット端末を使っていましたがそこも改稿部分なんでしょうか^^;
秋山周治が殺された理由は黄色い花が関係していて、裏の何かの組織に巻き込まれて殺されて花が盗まれていたのかと思っていたのですが、それは考えすぎましたね。
でも黄色い花が全てだということは分かりました。
この小説のテーマが歴史が関係していたんですねー。
蒲生家ともう一つの家庭が何年も前から課せられていた運命はなかなか辛いですよね。
自分自身は何もしていないのに、罪悪感を感じてしまいます。
それを受け入れて仕事をしている人がいて、また蒼太も負の遺産を受け入れ自分が研究していた原子力というものを改めて考えて見つめ直している姿がかっこよかったです。
梨乃はオリンピック選手を目指すことがなかったとしてもとても魅力的な女性だと思いました。あんなに前向きで積極的でガツガツして^^;普通に会社員としてやっていけると思いますよ。…っていうのも失礼かな。
最後も爽やかで良かったです。
早瀬さんは息子さんと色々話せたのかな。話せていたら良いな。
〈PHP研究所 2013.4〉H25.7.14読了
事件の真相は若干ご都合主義的に感じたものの、関係なさそうな出来事がきちんと最後に繋がるところはさすがだなーと思いました。
これ読んでから、町中で朝顔を見かけるとこの作品のことをなんとなく思い出しちゃう自分がいます(笑)。