
著者:畠中 恵
文藝春秋(2013-05-29)
販売元:Amazon.co.jp
女房のお寿ずと娘のお咲を亡くし、しばらくは魂が抜けたようだった麻之助。それでも町名主・高橋家の跡取りとして、もめごとの裁定の仕事はしなければなりません――。そして幼馴染で親友の八木清十郎と相馬吉五郎の絶妙な(?)助けもあって、少しずつ麻之助は回復してゆくのでした……。「人が人を、大事だって思う気持ちにつけ込んで、下司なことをするんじゃねえよ」前作で悲劇に見舞われた麻之助が捨て身で啖呵を切る『朝を覚えず』、色男の清十郎がすべてを投げ出し、謎の失踪をとげる『たからづくし』、突然三人の娘から好意を寄せられて困惑する吉五郎を描く『きんこんかん』など、「まんまこと」シリーズ第四弾の本作には、傑作連作小説六編を収録。お寿ずの又従姉妹の子で、最近不思議なほどお寿ずと面差しがそっくりになってきた「おこ乃」の存在感が増しているのも本作の大きな魅力です!
シリーズ第4弾です。
前作で衝撃的なラストを迎え、しばし呆然としてしまってから1年と数ヶ月。
どういう展開になるんだろうとドキドキしながら読みました。
ずっとお由有と一緒になってほしいと諦めきれなかったので、お寿ずに対して悪い事をしたなぁなんて思って読み始めました^^;
「朝を覚えず」は麻之助が痛々しかったです。自分の身を呈して相手を諭していたのだけど、自分はどうなっても良いと思っている部分がどこかにあって。心配してくれている人がたくさんいるのは分かっていると思うのですがどうすることもできなかったんだろうなと思います。
どのお話も面白かったけど、やっぱりお寿ずが死んでしまう意味があったのかなと思わずにはいられなかったです。畠中さんはこのシリーズが進んでいく中で起きなければならなかったこととおっしゃっていたのですが、やっぱり時が経って多少は麻之助も回復しましたけど、それでもやっぱり切なくて可愛そうなままでした。
お由有も出てるけどちょっと脇役っぽいし、これからこのシリーズはどうなっていくのかなと気になります。
〈文藝春秋 2013.5〉H25.7.8読了
最初の章の麻之助は痛々しかったですけど、少しずつ少しずつ回復していく様子が読めて良かったです。
今後、どうなっていくのか、気になりますよね。