
著者:北山 猛邦
徳間書店(2013-03-27)
販売元:Amazon.co.jp
王子と結婚した日、人魚姫は、自らに剣を刺し、泡となって消えた。その翌日、王子が殺される。 王宮が動揺するなか、王子の側近くにいて、消えた人魚姫に疑いがかかるが……。同じ頃、宮廷に出入りしていた少年アンデルセンは、海辺で人魚姫の姉に出会った。そして、アンデルセンと人魚の少女は、グリムの協力を得て、事件の真相を追及することに……。
新刊でタイトルを見た時から気になっていました。
凄いなぁ…北山さんだからこういう書き方ができるんでしょうね。
人魚姫の物語のその後をこんな形でミステリにするなんて凄すぎます。
父親を亡くしたばかりで貧しく学校でも一人ぼっちの少年アンデルセン。そんなアンデルセンのもとに現れた死神もとい画家のグリム。そして妹の無実の罪を晴らすために人間となった人魚姫セレナ。
人魚は人間を信用しておらず、セレナは始め2人に対して横柄な態度を取り、事件の真相を一人で暴こうとします。しかし、身体は思うように動かないし宮廷も王子が死んだことで警備が厳重となりなかなか入れなかったため、2人を頼るしか術がありません。
グリムはともかく、ひたむきにセレナと共に真相を暴こうとするアンデルセンをセレナは徐々に信頼していきます。アンデルセンもまた何もできない自分をもどかしく感じつつも事件を解決させようと頑張ります。
事件の真相自体はそんなに驚くものではなかったですけど、物語全体が素晴らしかった。
アンデルセン君はここから「人魚姫」を作ったのでしょうか^m^
セレナはどうなってしまうか分からないけど、セレナが選んだことが何だか嬉しかったです。
この本を読んだブログさんを拝見していると初期の作品と比べている方が多くて、何年も前から読もうと思っているのにまだ読んでいないことに気づきました^^;
今年中に1冊くらい読めたら良いな。
〈徳間書店 2013.3〉H25.6.29読了
でも、これはなかなか楽しめました。
アンデルセンとグリムの掛け合いが楽しかったので、またどこかで二人が再会するといいなーと思います。セレナとアンデルセンのその後も気になるところですね。