ふたつめの庭ふたつめの庭
著者:大崎 梢
新潮社(2013-05-22)
販売元:Amazon.co.jp

オススメ!
そこは、かけがえのない場所。だから、あきらめない。裏鎌倉の保育園を舞台に新鋭が描く、家族と恋の物語。保育士になって五年の美南とシングルファーザー一年と二ヶ月目の志賀隆平。隆平は定時退社しやすい部署に異動し、子育てに奮闘するものの、保育園は予測不能のことばかり。園内の事件や行事を通して、美南と隆平は気づき、育んでゆく、本当に大切にしたいものを。湘南モノレールの走る街で紡がれる、愛しい時間を描く傑作長篇。

ネタバレあります

良かった〜!好きっ。こういう作品大好きです!凄く癒されました。こういう幸せな気持ちになる読書をたくさんしたいと思う作品でした。
主人公は保育士になって5年の25歳の女性美南。この子が自分の仕事に誇りを持っていていつも一生懸命。情熱ぎらぎらっていうわけじゃないのだけど芯がしっかりしているというか…こういう強い心を持って働きたいなと思います。
そんな美南が恋心を抱いているのがシングルファーザーになって間もない隆平。初めは子育てに向いてなさそうと言われていたのに、息子の旬太のために試行錯誤を繰り返してしている姿は私も好感が持てました。そして同じ保育園に預けている子供のお母さんたちも。
読み始めて最初の方で二人は両想いだなと思うくらいだから、周りの人たちは鋭い人はすぐに気づきますよね。じれったいったら。でもこういう恋愛が私は好きです。
本屋で2人で話しているシーンや、子供がお母さんの指輪をなくして公園で一緒に探すシーン、高校生の男の子に話を聞くためにやきもきする2人。読んでいてきゅんきゅんしちゃいました。
チャラいカツミが2人の関係を後押ししてくれたんですよね、きっと。でも私はカツミみたいな人嫌い。絶対にヤだ。ぷいっ。←
先生と園児のお父さんという関係が終わってから付き合うっていうの、ダメなのかなぁ。お互いに想っていれば1年ちょっとなんてすぐ来ると思うんだけど、その考えは古いの?
2人が距離を縮めた電話のシーンとか、初めてのデート(らしい)とか、良いなぁと思って読んでいました。
別の人が読んだら甘いって思うのかな、ご都合主義って思うのかな、こんなにうまくいかないって思うのかな。でも私はこういう恋愛が出来たら良いなと思ってしまうんですよね。
読み終えた後にとても幸せな気持ちになれました。やっぱりふんわり幸せに終われる読書って良いな。

〈新潮社 2013.5〉H25.6.26読了