近藤史恵リクエスト!  ペットのアンソロジー近藤史恵リクエスト! ペットのアンソロジー
著者:近藤 史恵
光文社(2013-01-18)
販売元:Amazon.co.jp

「ババアと駄犬と私」森奈津子
東京でバリバリ働いていた私だが、実家へ帰ってきた。近所にはババアが犬を飼っており、その犬がダメ犬でいつもよく吠える。注意してもババアは聞く耳を持たない。
「最も賢い鳥」大倉崇裕
殺人事件が起きた現場で、ヨウムが取り残されていた。現場を見ていたようで怯えている。ヨウムが事件の鍵を握っていた。
「灰色のエルミー」大崎梢
永島は嫌々ながらも人材派遣の仕事をこなしていた。最近は定時で家に帰る。それは家で待っているエルミーがいるから。同級生だった美鈴が預かってほしいと頼んできたからだった。
「里親面接」我孫子武丸
「わたし」は宮下という男性と共に谷川夫妻を迎えた。里親面接を受けるためだ。夫婦を結果騙すことになるため、私は気が進まない。
「ネコの時間」柄刀一
真子が6歳の時、みゃーはやってきた。話すことが苦手だった真子にとって、みゃーは最大の理解者であり、話し相手だった。
「パッチワーク・ジャングル」汀こるもの
夫は優良物件だったと思う。しかし、一つの趣味を除いて。夫は爬虫類が大好きで、良いと思った生き物を飼ってくる。その爬虫類たちに悩まされていた。
「バステト」井上夢人
僕は叔父の家からもらったライフル銃をいつも見つめていた。あるとき、黒い猫が迷い込んでくる。
「小犬のワルツ」太田忠司
パニック障害を患っていたオルゴール専門の修理師をしている「私」の元へ親子がやってきた。息子の健太は私の飼い犬のステラが気になるらしい。
「シャルロットの憂鬱」近藤史恵
二度の不妊治療に失敗し、追いつめられていた真澄。夫の浩輔の提案で犬を飼うことにした。シェパードのメスで名前はシャルロット。一目で気に入り、一緒に住むことに決めた。

以前の本屋さんアンソロジーに引き続き、次はペットのアンソロジーです。
面白かったけど、私はペットを飼っていないので、そこまで思入れがなく…もちろん面白かったのですが、本屋さんの方が好きだったかなーなんて、失礼なことを思ったりしました。すみません。
ペットがテーマなので、犬猫が登場しますがそれだけではありません。
鳥類や爬虫類も登場します。初読みの作家さんも多かったですが、良かったです。
「ババアと駄犬と私」なかなか痛いところを突かれた作品でした。主人公の性格が分からなくもなく、また私も母親に似たような事を言われたこともあり。イテテテテ・・・と深手を負いました。飼い主はちゃんと犬をしつけてほしいですねぇ。
「最も賢い鳥」ヨウムって初めて知りました。事件との絡み具合が面白かったです。
「灰色のエルミー」猫にあんな秘密が隠されていたなんてビックリでした。永島と美鈴の関係は変わるのかな。ニマニマして読み終えました。でも、どう考えてもアメショーのメトロが分かりませんでした。残念。
「里親面接」私と宮下の正体に騙されました。気づかなかったな〜。やられました。でも、実際にもこういう事があるんでしょうか。だったら悲しいです。
「ネコの時間」ベタなお話なんですけど、やっぱり感動していい作品だなと思いました。初読み作家さんだったのですが、殺人事件とかグロい作品を書かれる方のイメージだったのでびっくりしました^^;
「パッチワーク・ジャングル」面白かったです!新婚生活が可哀相だなぁと始めは思っていたのですが段々雲行きが怪しくなっていって最後はまさかの展開。なんだかんだで良い終わり方で良かったです。
「バステト」怖かったです。あんな展開になろうとは。
「シャルロットの憂鬱」最後の締めくくりは近藤さん。いい締めでした。シャルロットと夫婦の関わりも良かったですし、事件の真相も良かった。もし子供に恵まれなくても3人なら素敵な家族でいられると思いました。
あと皆川さんの作品もあったのですが…私、あまりよく分からなくて割愛しちゃいました。すみません…

〈光文社 2013.1〉H25.3.21読了