夜の底は柔らかな幻 上夜の底は柔らかな幻 上
著者:恩田 陸
文藝春秋(2013-01-12)
販売元:Amazon.co.jp

夜の底は柔らかな幻 下夜の底は柔らかな幻 下
著者:恩田 陸
文藝春秋(2013-01-12)
販売元:Amazon.co.jp

舞台は国家権力の及ばぬ、治外法権の地〈途鎖国〉。特殊能力を持つ〈在色者〉たちが山深くに集まったとき、殺戮の宴が幕を開けます。「フランシス・フォード・コッポラの『地獄の黙示録』をやろう」という初心で始まったというこの作品は、連載開始からおよそ6年半をかけて、ダーク・ファンタジーのひとつの到達点に辿り着きました。恩田さんにしか書けない、めくるめく狂乱の世界を、上下巻のボリュームで存分にお楽しみください。

恩田さんの長編です。6年半をかけて完成させた作品なんですね。物凄く濃密な読書が出来た気がします。恩田さんらしい何だか分からないけどどんどん追い込まれていく感じ、冒頭からハラハラドキドキでした。そもそも主人公の有本実邦の正体もよく分からなかったし。というか、最初から最後までイマイチよく分かっていなかったような…。私だけか?
途鎖国についてや在色者についてもちゃんと理解できていたかはわかりませんが、面白く読みました。でも、ちょっと人がごみのように死に過ぎかなぁ。死に方も結構なグロテスク具合で読んでいて辛かったです。
最後も…うーん。理解できないところが私は多かったかな…なんて。
結局何が残ったんだろうって思ってしまって。
結末が悲しかったです。
その最後の雰囲気も恩田さんっぽいなと思ってそれはそれで良かったりして^^

<文藝春秋 2013.1>H25.2.21読了