謎解きはディナーのあとで 3謎解きはディナーのあとで 3
著者:東川 篤哉
小学館(2012-12-12)
販売元:Amazon.co.jp

宝生邸に眠る秘宝が怪盗に狙われる?体中から装飾品を奪われた女性の変死体発見?続々と発生する難事件に、麗子ピンチ…しかしながら「お嬢様は無駄にディナーをお召し上がりになっていらっしゃいます」影山の毒舌と推理は絶好調!そして、ラストシーンでは麗子と影山、風祭の3人の関係にも大きな変化が訪れて―!?大人気ミステリ第3弾。
第一話「犯人に毒を与えないでください」
麗子が37.2度の「高熱」を出しながらも仕事に勤しんでいた。そんな時に事件が。地主の桐山健作が死亡した。死因は青酸カリによる服毒死。第一発見者は被害者の妻・信子。
死体の傍にはペットボトルに入った水とコップが置かれており、被害者は数時間前に服毒、他殺と自殺両方の可能性が考えられた。
第二話「この川で溺れないでください」
前日、お花見の席で酔っぱらいを井の頭池に落とすという醜態を見せた麗子は、気落ちしながら仕事に向かっていた。石黒亮太というチンピラが殺されていた。最近石黒は金回りが良かったらしい。お金を上げていたらしい親戚の神崎家を訪ねる。
第三話「怪盗からの挑戦状でございます」
宝生家に怪盗からの挑戦状が届く。「金の豚」を盗むという。麗子は父親に相談の電話を掛けると、宝生家かかりつけの探偵御木本を呼べという。
第四話「殺人には自転車をご利用ください」
佐々木澄子という金持ちの老婦人が絞殺死体が発見された。彼女の遺体はなぜか子ども用の椅子に座らされていた。
丸山美鈴という家政婦から犯人の心当たりを訊いたところ、澄子の甥の平沢健二が怪しいと言われる。彼は元競輪選手。5キロの道のりをどうやって15分で移動したのか。
第五話「彼女は何を奪われたのでございますか」
映画研究会に所属する女子大生の水野理沙は、喫茶店で先輩の木戸静香と偶然出会う。木戸静香は眼鏡をかけているにもかかわらず、グラスをとり損ねたり、転倒したりと不審な行動をとっていた。
翌日、木戸静香の遺体が発見されるが、靴やベルト、眼鏡や財布や携帯電話などが持ち去られていた。
第六話「さよならはディナーのあとで」
中央線の近くにあり、騒音に悩まされそうな清川邸の主人、清川隆文が木刀で頭を殴られて殺されているのが発見される。
凶器の木刀は隆文のものであり、木刀にはく隆文の指紋がついていた。
風祭は、隆文の妻の芳江の部屋が荒らされているのを発見する。

シリーズ第3弾です。
麗子お嬢様と執事の影山と風祭警部の掛け合いが相変わらずな感じで。
トリックはそれぞれ面白かったです。
怪盗からの挑戦状なんて新しかったですね。かかりつけの探偵がいるなんて本当にお金持ちの発想。でも、御木本は全く使えない感じで終わってちょっと残念でした。
3人の掛け合いが相変わらずでちょっと飽きてきたなぁなんて失礼なことを思ったのですが、最後の展開がビックリ。え、風祭警部?そんなことに。
次回どうなる!?…と思ったらこのシリーズは3冊で完結らしいですね。
最後に麗子が影山に思わず言ってしまった言葉が良かったです。

〈小学館 2012.12〉H25.2.8読了