
著者:朝井 リョウ
新潮社(2012-11-30)
販売元:Amazon.co.jp
就活の情報交換をきっかけに集まった、拓人、光太郎、瑞月、理香、隆良。学生団体のリーダー、海外ボランティア、手作りの名刺……自分を生き抜くために必要なことは、何なのか。この世界を組み変える力は、どこから生まれ来るのか。影を宿しながら光に向いて進む、就活大学生の自意識をリアルにあぶりだす、書下ろし長編小説。
ちょうど先週の土曜の「王様のブランチ」で紹介されていた時に手元にあったのでタイミングが良かったです。スーツを着てて、でもまだ着させられてる感じがかわいかったです^m^←失礼な。
内容は就活について。って書けば簡単なんですけども。
何だかリアルに自分の就活を思い出してしまいました…。学生たちのリアルな悩みが物凄くぐさっと来て痛々しかったなぁ。私もそうだったんだろうなと思いつつ。
まあ、私の就活時はツイッターもFacebookもLINEもなかったですけど。
読んでいて最初は隆良の自分は就活しないからとなぜか就活している人に対しての上から目線がイラっとしました。
就活していようがしていまいが、それぞれが選んだ道なんだから偉いも何もないのにね。そして理香も違うタイプでイラッとしましたけども。留学経験があって就活のイベントにもたくさん参加していて自信を持ってて、でも内定が決まらない。物凄くプライドが高いんだろうなというのが瑞月や光太郎に対しての言い方で分かる。言葉の節々に嫌味が入っていて。
でも、そういう探り合いが就活なんだろうなーとも思う。元からの友達が内定を取ったというなら心から喜べるけど、就活を機に仲良くなった人が内定を取ったとしたら私は絶対に心から喜べないもの。
私も就活中にいろんな人を見てきた。そして自分自身も就活をして知ったことがたくさんあった気がする。まあ、結局就活して内定をもらった会社は3年で辞めちゃったんだけど^^;
だからやっぱり就活は全てじゃないってことですよね。瑞月が言っていたもう誰も助けてくれない。自分が選んで進まなきゃいけないっていう言葉に重みを感じました。
で、終わりに近づいていると思ってから残り30ページのまさかの展開。
「王様のブランチ」でも言っていましたが、本当にまさかの怒涛の展開でした。
目を背けたくなりましたけど、そむけなかったです。理香も拓人も醜かったけど理香の方が自己分析で来ていた分、上手だったかな。でも、拓人も最後の最後に少しだけ希望が見えて良かったです。
それでも気持ちは分かるんですよね、私も醜い部分たくさんあったもん…。
それにしても朝井さんは凄いですね。コメント一つ一つがしっかりしてていちいち納得。凄い人だなーって尊敬します。あのエッセイを書いた人と同一人物とは思えない^m^
〈新潮社 2012.11〉H24.12.17読了
就活に翻弄される学生達の姿が痛々しかったですね。必死になる姿を必死に隠そうとするその姿がまたイタさ倍増でした。でも、そんな姿をイタイ;;;と思う自分が一番、イタイ人なのかもしれないなぁと読みながら思ったりもしたのでした。
最後はまさかの展開でしたね〜!驚きました。でも、少しは彼も変われたのかなぁと思えて良かったです。