フライ・バイ・ワイヤフライ・バイ・ワイヤ
著者:石持 浅海
東京創元社(2012-11-29)
販売元:Amazon.co.jp

僕、宮野隆也が通うさいたま工科大学附属高校の選抜クラスに、転入生としてやってきたのは二足歩行のロボットだった。これは病気のため学校に来られない一ノ瀬梨香という少女を、遠隔操作で動くロボットを通じて登校させる実験だという。僕たちは戸惑いつつも“彼女”の存在を受け入れ、実験は順調なすべりだしを見せたが、小さな疑念がクラスに不協和音をもたらし、悲劇は起こった。近未来を舞台にした、学園ミステリ。

石持さんの新刊です。高校生が主人公って珍しいかもしれないですね。それでもいつもと同じように聡明な学生たちが勢ぞろいしていました^^;
面白かったです。近未来の高校の状況もロボットに関しても事件にしても興味深かったです。
それにしても本当に切ない結末でした。まさに悲劇だったなと思います。
一ノ瀬さんが言うとおり、この高校の選抜クラスにロボットを転入させたことが問題だったんだと思います。まわりの人たちがロボットに興味を持つような人達ばかりで、また頭がよすぎるのも問題だったのかも。
一ノ瀬さんの実際の姿は予想はしていたけど悲しかったです。宮野は強くて優しかったです。一ノ瀬さんをクラスから外すかどうか、クラス全体で話し合ったときの宮野の選択は正しいか分からないけど良かったと思います。
最後も望みのあるラストも良かったです。

〈東京創元社 2012.11〉H24.12.15読了