禁断の魔術 ガリレオ8禁断の魔術 ガリレオ8
著者:東野 圭吾
文藝春秋(2012-10-13)
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「透視す(みとおす)」草薙が常連の高級クラブに湯川は連れてこられた。そこにはアイという女性がおり、彼女は湯川の名前と肩書まで言い当てた。驚く湯川を見て草薙は得意顔だ。しかし数日後、アイこと相本美香が死体として発見される。彼女は父親と継母と高校生まで一緒に住んでいたが、卒業と同時に家を出てそのまま家に帰ったことはなかった。
「曲球る(まがる)」高級スポーツクラブの駐車場で、柳沢妙子という女性が殺されていた。彼女の夫は東京エンジェルスの柳沢忠正選手だった。犯人はすぐに逮捕されたが、柳沢選手の気分は晴れない。球団からは戦力外通告を受け、現役続行すべきか悩んでいたのだった。持ち味のスライダーもキレがなくなっていた。柳澤のトレーナーはバドミントン雑誌で論文を書いていた湯川に興味を抱く。
「念波る(おくる)」御厨籐子は姪の春菜が胸騒ぎがするから双子の若菜の夫知宏に連絡をしてほしいという。連絡して知宏が自宅へ帰ると、若菜が何者かに殴られ倒れていた。若菜は意識不明の重体。春菜は若菜とテレパシー出来るという。
「猛射つ(うつ)」古芝伸吾は帝都大学にいた。高校生の時にお世話になった湯川准教授に挨拶に行くためだ。彼は春から帝都大学に通う。しかし、1本の電話から運命が変わる。一方警察はフリーライター長岡修が何者かに殺され捜査をしていた。彼は代議士の大賀という男を追っていた。彼は地元にスーパーテクノポリス計画を立てていた。研究者たちの居住施設だという。

ガリレオ8です。短編集ですが「猛射つ」が結構大部分を占めてました。
どの作品も面白かったです。
「透視す」のアイちゃんは可哀相でした。ただ、ちょっといきすぎたかなと思いましたが。家族の事も生きている間に分かり合えていたら良かったのにと切なくなりました。
「曲球る」意外とすぐに犯人が分かったのが意外でした。犯人のトリックではなく、被害者の夫の投球フォーム等の改善というのが面白かったです。
「念波る」は犯人が何となく最初に分かりました。きっとあの人だろうなと。双子ならではのトリックだなと思いました。
「猛射つ」伸吾君が可哀相でした。彼自身は何も悪くないのに、家族を失い、ずっと行きたかった大学へも行けず。大学を退学した理由も悲しかったです。湯川准教授の行動には驚きました。小説のキャッチコピー?も湯川が殺人を?でしたし。湯川は本気だったのかどうかわかりませんが、私も内海と同じ意見です。きっと湯川ならそうしたんじゃないかなと思います。
今回も湯川と草薙のコンビが主だったので嬉しかったです。内海の今のポジションが私にはちょうどよく感じます。今回は草薙が微妙に湯川に挑戦してましたね。いや、挑戦までは行かないかな?湯川はどういう反応をするかな?ってうきうきしてるのが可愛かったです。
東野さんがたくさんガリレオシリーズの物語が頭に思い浮かんできて今回書かれたそうですが、しばらくこのシリーズを書くのは良いと言っていたので^^;7と8をしばらく噛みしめていようと思います。

〈文藝春秋 2012.10〉H24.11.3読了