アレクシア女史、倫敦で吸血鬼と戦う (英国パラソル奇譚)アレクシア女史、倫敦で吸血鬼と戦う (英国パラソル奇譚)
著者:ゲイル・キャリガー
早川書房(2011-04-08)
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19世紀イギリス、人類が吸血鬼や人狼らと共存する変革と技術の時代。さる舞踏会の夜、われらが主人公アレクシア・タラボッティ嬢は偶然にも吸血鬼を刺殺してしまう。その特殊能力ゆえ、彼女は異界管理局の人狼捜査官マコン卿の取り調べを受けることに。しかしやがて事件は、はぐれ吸血鬼や人狼の連続失踪に結びつく――ヴィクトリア朝の歴史情緒とユーモアにみちた、新世紀のスチームパンク・ブームを導く冒険譚、第一弾。

同期の司書に面白かったよと言われて手に取った作品です。
私は外国作品に関しては本当に疎いので、同期にオススメされなければ絶対に気づかなかった作品だと思います。
読んでよかったです。面白かった。
外国作品を避けてしまう理由としては登場人物を全然覚えられないということと^^;何となく文章がまどろっこしくてスラスラ読めないんです、私。
この作品もその部分に関しては例外ではなく…SFでもあるので世界観に入り込むまでには時間がかかりました。
それでも、吸血鬼に人狼に普通?の人間が共存する世界ですよ。好きな人にはたまらないですよね^^私はちょっと「ときめきトゥナイト」を思い出しました^m^
<魂なき者(ソウルレス)>と呼ばれる彼女はブラックリスト化されており、吸血鬼や人狼は彼女には近づきません。なぜなら近づくと能力がなくなりただの人になってしまうから。
しかし、そのことを全く知らなかった吸血鬼がアレクシアに近づき、誤ってその吸血鬼を刺殺してしまいます。そこからアレクシアは問題ごとに巻き込まれていきます。
ストーリーも気になりますが出てくる人たちも個性的。アレクシアと始めは犬猿の仲だったマコン卿とまさかまさかの展開になるし、吸血鬼のアケルダマ卿もなかなか強烈。そしてアレクシアの家族が本当に嫌いでした。妹たちとは半分しか違繋がっておらず、母親もアレクシアの父とどうして結婚してしまったのか、後悔していたりします。みんな何となくアレクシアを邪魔者扱いしていてバカにしています。読んでいる側からすればアレクシアの方がよっぽど聡明で、その他は結婚とおしゃれにしか能のない頭の悪い人達にしか見えなかったから。
そしてマコン卿との関係は初めはじれったくてじれったくて「きー!」ってなりながら読んでました^^;人と人狼だから慣習が違うのは分かるけどなんだその駆け引き!と軽くツッコミながら読んでました。まあ何とかなってよかったですが。
終盤はどうなることかとヒヤヒヤしましたが、最後はほっとしました。最後までアレクシアは冷静でしたね。そして怒涛の展開が待っていてアレクシアの環境がガラリと変わります。変わってからのアレクシアを読むのが楽しみです。
全部でこのシリーズは5冊あるようなので、あと4冊、楽しみに読もうと思います。

〈早川書房 2011.4〉H24.10.27読了