うそうそ (新潮文庫 は 37-5)うそうそ (新潮文庫 は 37-5)
著者:畠中 恵
新潮社(2008-11-27)
販売元:Amazon.co.jp
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近頃江戸を騒がす地震の余波で頭に怪我をした、若だんな。主人に大甘の二人の手代と兄・松之助をお供に箱根でのんびり湯治の予定が、人さらい、天狗の襲撃、謎の少女の出現、ますます頻発する地震と、状況は時を重ねるごとに深刻になっていき……。病弱さなら誰にも負けない若だんなだが、果たして無事、長崎屋に帰れるのか?

しゃばけシリーズ第5弾です。初の長編なんですねー^^長編も良かったです。
近年頻繁に起きる地震によって怪我をした若だんな。怪我と、療養を兼ねて箱根へ湯治へ行くことになります。
ただ箱根へ行き、湯に浸かるのが目的だった若だんななのに、手代の2人はいなくなるし、誘拐はされるし天狗には襲撃されるしで本当にいろんなことが巻き起こります。
でも、ただ巻き込まれているだけではなくて、若だんな自身にも関わることでもあったんですよね。若干無理やり巻き込まれた感が否めませんでしたけど^^;
今回は仁吉と佐助が途中でいなくなったため、若だんなと兄、松之助と行動することになります。松之助も途中災難に遭うのですが、それでも若だんなを置いて自分だけ長崎屋に戻るわけにはいかないと、箱根の地にとどまります。若だんなはそれがもどかしくて悔しいと思っていて、私も読んでいて若だんなと同じ気持ちになりました。
長崎屋は、松之助にとっても自分の家なのに。
お比女ちゃんといい、松之助といい、また病弱で思うようにならない自分にも
(なんで・・・誰も彼も、己一人の思いすら持て余しているんだろう)
と感じています。それがとても印象深かったです。
病弱な若だんなこそが若だんなだと思って←このシリーズを読んできましたけど、当人にとっては辛くて辛くてしょうがない事だったんですね。
若だんなとお比女ちゃんが何となく似ていて、お比女ちゃんが自分の境遇にどうしていいか分からないと悩んでいるところの若だんなのちょっと気の抜けるような意見が良いなと思いました。
最後まで怒涛の展開で読んでいて面白かったです。
若だんな同様に妖の姿が見える雲助がいい味出していました。またどこかで登場してくれたらいいなと思いました。また出てきたら、若だんなはこの人にたくさんお金をせびられそうですけど^^;

〈新潮社 2006.5
      2008.11〉H24.10.22読了