
著者:東野 圭吾
文藝春秋(2006-02)
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妻は言った。「あたしが殺したのよ」―湖畔の別荘には、夫の愛人の死体が横たわっていた。四組の親子が参加する中学受験の勉強合宿で起きた事件。親たちは子供を守るため自らの手で犯行を隠蔽しようとする。が、事件の周囲には不自然な影が。真相はどこに?そして事件は思わぬ方向に動き出す。傑作ミステリー。
いやー…狂ってます狂ってます。何が子供のためで何が正しいのか。読んでいて何が何だかさっぱりわからなくなりました。
舞台は湖畔の別荘。4組の親子が中学受験の勉強合宿をするためにやってくる。
そこで一人の女性が亡くなります。それは主人公の愛人で、殺したのは妻だという。
親たちは子どもを守るために犯行を隠ぺいしようと企てます。
犯行の隠ぺいもさることながら、もういろんなことが異常で本当にこういう考えを持っている人がいるんだろうかと怖くなりました。
北海道はそこまで中学受験に躍起になるような環境ではないので、親がそこまでわーわー言うっていうのに私には違和感を感じます。だから、子供の将来に関しては俊介と同意見でした。俊介の気持ちに関しては大筋で納得できるのだけど、やっぱり浮気に関しては許せません。きっと、血は繋がっていなくてもきっと子供の事は気にかけているし愛しているとはっきり言えなくても愛そうと努力しているのは分かったのだけど夫婦どちらにも負い目があるからお互いが傷つくことしか言えない感じがもどかしくて悲しかったです。
そして他の3組の夫婦は本当に異常です。一体何が正しいんだろうか。子どもを勉強させて将来を安定させてやってるという優越感にでも浸っているんだろうか。子どもよりも親の方がよっぽど自分勝手だなと思いました。
事件の真相に関してはうーん、登場人物たちにとってはあれで良かったのかもしれないけど、読んでいる側からしたらモヤモヤが残りました。やっぱりスッキリ終わってほしい…。
〈文藝春秋 2002.3
2006.2〉H24.10.12読了