ラブ・リプレイ (『このミス』大賞シリーズ)ラブ・リプレイ (『このミス』大賞シリーズ)
著者:喜多 喜久
宝島社(2012-09-07)
販売元:Amazon.co.jp
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『このミステリーがすごい! 』大賞作家が描く、理系女子×有機化学ラブコメ×ミステリー。時間を巻き戻せるチャンスは10回。奈海は愛する人を救えるか!? 東大農学部院生の奈海はバレンタインデーの朝、同じゼミに在籍する本田の死体を発見する。凶事に茫然自失する奈海の前に、突如“死神"を名乗る青年が姿を現し、「過去に戻って愛する者を救う機会を与える」と言う。死因を突き止め、彼を救うことを決意。が、本田が密かに開発していた惚れ薬も絡み、事態は思わぬ方向へ…果たしてふたりの運命やいかに?

喜多さんの作品も3作目です。化学エンターテイメント小説って呼ばれているんですね。の、第3弾。
今回は時間の巻き戻し。そしてそのチャンスは10回まで。何度も行ったり来たりして、本田を救おうとしているのに、救おうとすればするほど展開がまったく意外な方向へと向かって行ったり犠牲者が変わっていったり、根本の部分が分からないと解決しないので、だんだんそもそもの理由が分かっていきます。
ただ、死を防ぐことだけを考えてたらダメなのかと読んでいていろんな展開が待っているので夢中で読みました。面白かったです。
読んでいて、昔放送されていたドラマ「君といた未来のために」を思い出しました。
まあ、あれは期間が4年間をぐるぐる回っていたし、そうなる理由が分からなかったから少し違うけど。
今回は惚れ薬という化合物は登場しましたけど、1,2作目に比べて化学な難しい部分が少なかったので文系人間としてはありがたかったです。
最後、どうなるどうなると気になって読んでいて、もうすぐ終わるのかなと思ったらまさかの展開に驚きました。え〜!!ここで終わり〜!!って著者にクレームを入れそうになりました^^;でも、そうならなくて良かった。
この人のラブコメな感じ好きです。これからも読んでいきたいです。
でも、化学エンターテインメントと言われている以外の小説も読んでみたいです。

〈宝島社 2012.9〉H24.10.3読了