僕とおじいちゃんと魔法の塔(1) (角川文庫)僕とおじいちゃんと魔法の塔(1) (角川文庫)
著者:香月 日輪
角川書店(角川グループパブリッシング)(2010-01-23)
販売元:Amazon.co.jp
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岬にたたずむ黒い塔。まるでお化け屋敷のようなその塔は、鎖と南京錠で封印されているはずだった。だけど、ある日、塔に行ってみると、そこには、僕が生まれる前に亡くなったおじいちゃんが住んでいた!しかもその塔には、もっと驚く秘密もあって…!?幽霊のくせに(だからこそ?)ヘンテコなおじいちゃんとの出会いが、僕の決まりきった生活を変えていく―。運命を変えられた僕のびっくりするような毎日がはじまった。

この作品は、1冊目はこどもちゃれんじに毎月連載?されていた作品なんですね。
私もこどもチャレンジから高校講座までやっていたので何となくわかります。こどもチャレンジの頃ってそういう毎月続くお話がありましたよねー。懐かしいな。
私も夢中で読んでいました。私の時に書いていた人は誰だったんだろう。もう思い出せないな。
それを書籍化するからと、完結している作品に対してあと2,3冊書いてくださいって乱暴ですね^^;まあ、香月さんが誇張してるやもしれませんけど^m^
主人公は小学校6年生の陣内龍神(たつみ)。弟の和人、妹の晶子の3人兄弟。
弟の和人は親の期待を一身に受け、期待されている自慢の弟。
それに対して自分はそれを見つめているだけ。両親はカタブツで堅実で、言っていることが正しいからそれに従うのが正しいことだと信じていた。
しかし、岬に佇む黒い塔へ行ったことで、龍神の人生が大きく変わります。
そこには、昔の姿のままの死んだはずのおじいちゃんが住んでいました。
若いおじいちゃんの風貌は「妖怪アパート」の龍さんのイメージでした^^中身は全然違いますけど。
親の言葉って、子供にとっては絶対なんですよね。それがおかしいと思い始めたことで、子供の中での自我が目覚めてきた、大人になって来た証拠だと思います。
それを頭ごなしに否定して子供の意見も聞かずに言いくるめようとする。大人の悪い例ですねー。
「いうことを聞かないなら勝手にしろ。学費ももう払わないからな」なんて子供みたい。おじいちゃんも怒っていたけど、子供にはどうしようもできない金銭面を持ってくる親なんて最低だ。
信久の出会いのきっかけとなったエピソードも同じことですよね。
障害者の偏見をなくそうと活動している親自身が子供を障害者と思っている。
競争に順位を付けないことこそが正しいと思っている。困ったものです。
そして弱い人を守ろうと偽善者ぶっている子供たちは平気でちょっと意見の違った子に対しては平気でいじめをする。
まあ、内容としてはベタなのかもしれませんが、よくある話です。
龍神はおじいちゃんと出会った事で、自我が目覚めたんですね。そして信久とも出会えてよかったです。
1巻はこれで完結して2巻目からは高校生になるらしいので^^;どうなっているのかドキドキしながら読むことにします。
龍神と信久は、夕士と長谷のような関係になっているかな。

〈角川書店 2010.1〉H24.9.19読了