すべては今日からすべては今日から
著者:児玉 清
新潮社(2012-04-27)
販売元:Amazon.co.jp
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この名調子が、もう読めないなんて――。一周忌に贈る熱き遺稿集! もっと小説を読んでください。この国の未来を築くために――面白い本を溺愛し、何事も「今日から」と前向きに生きた稀代の“情熱紳士”が、流麗にして熱烈な語り口で書き遺したエッセイと書評を一挙収録。少年の頃からの読書人生、本と付き合う作法、絶対のお薦め本、交友、人生観、日本への思いまでを語る最後のメッセージ!

児玉さんの紡ぐ言葉が温かくて、噛みしめるように読みました。
児玉さんは本当に、誰よりも本を愛して愛されていた方なんだろうなというのがひしひしと伝わってきました。少しでも「死」に関わる話題が出てくると「児玉さ〜ん!」って泣きそうになりました。
児玉さんはたくさんの本を紹介されていましたが、海外作品が最初だったのですね。私は海外作品はどう選んでいいか分からないのであまり読んだことがないのですが、気になる作品がたくさんありました。ただでさえ積読本が多いのに増えちゃってどうしてくれる。←
そのたくさんの本の中で私が読んだことがあるのは真保裕一さんの「最愛」だけでした。この作品も結構前に読んだ本だから忘れかけているけど^^;
児玉さん自身の事も結構書かれていました。本当は大学院へ進学するはずだったのに、母親の急死により就職を余儀なくされ、なぜか東宝ニューフェイスでオーディションを受けることになるというまったく予想だにしなかった未来。
児玉さんは俳優の道は天職で、なるべくしてなったのだと思います。児玉さんが俳優さんになってくれたお陰で児玉さんを知ることが出来て、本を読む楽しさを改めて知ることが出来たと思います。(でも正直言って児玉さんは最初は俳優さんじゃなくてアナウンサーさんだと思ってました。アタック25の印象しかなくて。すみません…)
児玉さんは穏やかな方だと思っていたのですが、結構喧嘩っ早かったんですね^m^まがったことが嫌いで、悪いと思ったら悪いということでもめることもあったそうで。エッセイの中でも、礼儀やマナーに関してを結構厳しく書かれています。児玉さんに褒められるような人間になれるよう、私も精進していかなきゃいけないなと思いました。
あとがきの息子さんのお話も良かったです。涙が出そうでした。
「Win now,Pay later」って、素敵な言葉です。
「今やるべきことをやってみろ。ダメだったらその時に考えればいい」
将来の事とか、色々考えたら不安になることもたくさんあるけど、私もこの言葉を胸に、前向きに生きていきたいなと思いました。
児玉さんのお陰で、本を読むことが好きな自分を少しは褒めても良いのかなと思えました。
児玉さん、ありがとうございます。大好きです!

〈新潮社 2012.4〉H24.9.13読了