アゲハ 女性秘匿捜査官・原麻希 (宝島社文庫)アゲハ 女性秘匿捜査官・原麻希 (宝島社文庫)
著者:吉川 英梨
宝島社(2011-01-12)
販売元:Amazon.co.jp
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オススメ!
警視庁鑑識課に勤める原麻希は、ある日、子供を預かったという誘拐犯からの電話を受ける。犯人の指示のもと、箱根の芦ノ湖畔へと向かった麻希だが、そこには同じく息子を誘拐されたかつての上司、戸倉加奈子の姿があった。殺人現場に届く「アゲハ」からのメッセージの意味は? 誘拐は、麻希と加奈子の運命を変えた八年前の事件が関係しているのか?
女性秘匿捜査官・原麻希が社会の闇に挑む、長編警察ミステリー。

6月15日に放送予定だった2時間ドラマの原作です。オウム真理教の特番のせいで7月13日に伸びちゃいましたけど。
この作品は以前読んだ「しあわせなミステリー」の中でスピンオフとして登場し、その話が面白かったので興味を持ってました。ドラマ化されるのを知ったのはその後でした。
警視庁鑑識課に勤めているにも関わらず、捜査に必要なものをあれこれ発見するので捜査一課に重宝されている原麻希は何者かに娘と息子を誘拐されます。同じように子供を誘拐された戸倉加奈子と一緒に子供の行方を追います。
二転三転する犯人像に、怒涛の展開。もう読む手が止まりませんでした。面白かった!
今回起きた誘拐事件と殺人事件は8年前に2人がかかわった事件が絡んできます。
その絡み具合も見事です。でも、犯人は全然気づきませんでした。
確かにちょっと気になる部分はあったんです。こんなエリートの人が選ぶのにふさわしい相手じゃなさそうだなとか^^;
物語の展開としては現代と8年前の事件の絡みの過去と交互に進んで行きます。その中に伏線がいくつも敷かれています。もうそれが面白くて面白くて。
警察内部での出世のための争いが醜くかったり、だから道を踏み外してしまう気持ちも全く分からなくはないけど、それでも変わらず信念を持って事件の真相を暴こうとしたハラマキさんは凄いと思いました。彼氏が警察官になるからって警察官になった人とは思えない^m^きっと天職だったんですよね。寿退社はもったいないです。
始めに上がってきた犯人に関しては、アンソロジーを先に読んでいるために絶対に犯人じゃないだろうなと分かっていたのでそれがもったいなかったかなと思いました^^;
でもアンソロジーを読まなければこの作品とは出会えなかったので、結果良かったんですよね。
続編「スワン」も読みますよー。

〈宝島 2011.1〉H24.6.30読了