まもなく電車が出現します (創元推理文庫)まもなく電車が出現します (創元推理文庫)
著者:似鳥 鶏
東京創元社(2011-05-28)
販売元:Amazon.co.jp
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「まもなく電車が出現します」芸術棟が封鎖され、困ったクラブや同好会が新たな棲処を探し始めた。美術部の僕は美術室に移動して、無事作品に取り掛かれるかと思いきや、美術部の領地と思しき開かずの間をめぐる鉄研と映研の争いに、否応なく巻き込まれてしまう。しかし翌日、その開かずの間に突如異様な鉄道模型が出現!?
「シチュー皿の底は並行宇宙に繋がるか?」調理実習でシチューを作ることになった。葉山は料理を作るので問題なかったが他の人間は作れなそうだった。唯一作れる藤巻さんが頼りだったが様子がおかしい。食べ終えた後に藤巻が「内田はジャガイモを食べたか?」と葉山に聞いてきた。
「頭上の惨劇にご注意ください」柳瀬先輩と葉山が猫と遊んでいた時、頭上から植木鉢が落下してきて、危うく葉山に当たるところだった。次の日葉山の靴箱から釘が見つかり、標的が自分だと気づく。植木鉢が落ちた部屋はESSと園芸部とが利用していた。
「嫁と竜のどちらをとるか?」伊神先輩と共に先輩の立花さんの家でご飯をごちそうになった葉山はそのままファストフードに入る。そこには柳瀬先輩と七五三木先輩がいた。柳瀬先輩のいとこの瞳さんという人の旦那がオタクで、今度フィギュアを買ったら離婚すると言われたそうなのだがまた買ってしまったらしい。そのフィギュアの金額を知りたいということで伊神を呼んだ。
「今日から彼氏」演劇部の手伝いで海に来ていた葉山は脚本担当の入谷菜々香に話しかけられる。その夜柳瀬先輩からメールが来て、七五三木先輩と付き合うことになったからもう一緒にいるのを止めようと言われる。次の日、葉山は入谷から「付き合いませんか?」と言われ付き合うことに。

久しぶりの似鳥さんの作品です。近くの図書館に似鳥さんの作品がなくてあきらめていたのですが、札幌の図書館にいつの間にか似鳥さんの作品が充実していて^^;急いで読んでいない作品を予約しました。うふふ。嬉しい。
ということで久しぶりの葉山君に伊神先輩に柳瀬先輩です。日常ミステリとしては本当に些細なものもありましたけど。特にシチューのくだりは^^;いや、私は好きでしたけど。でも、伊神先輩の推理力は流石でした。そして葉山君が狙われた事件に関して言った伊神先輩の言葉もかっこよかったです。
最後の出来事。これは葉山君のかなりのトホホ話でしたね〜。好きだったのは本当だったんだろうけど、色々利用されたわけだし。利用したことでもう二度と葉山君とは付き合えなくなってしまって。自業自得と言えばそうなんだけどちょっとそう言い切ってしまうのは可愛そうな気もするし・・・うーん。
でも、最後の最後に柳瀬先輩と葉山君が良い感じになっちゃってびっくり。葉山君が高2の夏ということは、柳瀬先輩が卒業するまであと半年ですよね。これから2人の関係はどうなるんでしょう。気になります。愛妾と言われている葉山君ですが^m^それから進展するのでしょうか。楽しみです。
それにしても気になったのですが、菜々香は葉山の事を「ゆーくん」って言ってましたけど、葉山君の名前って今まで出てきてたっけ?忘れちゃった^^;

〈東京創元社 2011.5〉H24.6.25読了