くるくるコンパス (一般書)くるくるコンパス (一般書)
著者:越谷オサム
ポプラ社(2012-04-10)
販売元:Amazon.co.jp
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さえない中学将棋部の男子三人カズト、シンヤ、ユーイチは、転校してしまった部活仲間の佳織に会うために、京都行きの修学旅行を飛び出して大阪へ。恐ろしい体育教師や、非協力的な班の女子、不慣れな大阪の街…数々の困難を乗り越えて、たどりついた先には―?苦くて痛いような、甘酸っぱくてくすぐったいような、熱くて特別な、長い旅が始まる。

バカだなぁというのが最初の感想でした^^;
中学生が行った事もない場所をそんな短時間で行けるわけがないだろうと。しかも結構な無計画具合だったし。
先生のハナを明かしてやろうとか、転校した女の子に会っていい顔して見せたいとか、最初のきっかけも安易だなぁと思いながら読んでいたのだけど。
中学生の頃ってこういうバカで、でもそういうのに一生懸命な時期なのかなぁとも思ったりしました。
私は中学も高校も、修学旅行にいい思い出はなかったし。団体で行動していると、絶対に合わない人って出てくるんですよね。私は計画通りカッチリ行きたかったのだけど、時間が間に合わなければいけなくてもしょうがないじゃんって思っている人もいて、まあ思い通りにはいかないですよね。窮屈だし。
そういうのもまとめて楽しむっていう事が私は出来なかった人だから、3人の行動はほんの、ほーんの少しだけど羨ましい気もします。
特に中学時代の先生って結構面倒くさい存在なんですよね。反抗期の時期ですし。
でも今は本当にいろいろ大変なんだろうなとは思うけど。
いろんなところからのプレッシャーがあるとはいえ、田沼という先生は私は嫌いです。生徒に厳しいからその厳しさの中にちゃんと愛があるのかなと思ったらそうではなかったし。自分の失敗も生徒のせい。生徒の失敗をいつまでもひけらかす。それは先生がしてはいけないことだと思う。
ゴリ先生は生徒に目線が近い先生なのかなと思いました。
出発前から生徒の気持ちを見抜いているなんて凄い!ああいう先生は近くにいてほしかったなと思う。
もちろん、好きな先生はいたけど。
言い方は悪いかもしれないけど、全体的にベタな物語です。それでもハラハラしたり、呆れたり、ちょっと感動したり、読んでいていろんな感情を持てる本でした。

〈ポプラ社 2012.4〉H24.5.1読了