すべてのマラソンランナーに伝えたいことすべてのマラソンランナーに伝えたいこと
著者:瀬古 利彦
実業之日本社(2012-02-09)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

マラソンの練習はきつかった。何度もやめそうになった。しかし現役中、練習を途中でやめたことはただの一度もない。現在、マラソンは明るく健康的なスポーツとして、多くの市民ランターに親しまれているが、その本質は泥臭く、根性がいるものだと思う。苦しいからと言って、練習を途中でやめては「いつでもやめていいんだ」と甘える癖がついてしまう。苦しくないマラソンなどない。15戦10勝のマラソンランナーが語る折れない心の作り方。

マラソンの解説でおなじみ、瀬古さんの著書です。
瀬古さんはちょうど私の両親と同い年です。流石に現役の頃は知りません。ギリギリ早大の渡辺監督の現役を覚えてるかなぁ・・・というところです。
父がマラソンの中継で瀬古さんがいるとよく言っていることがあります。「瀬古がモスクワオリンピックに出場していたら、絶対に金メダルを獲れていたのに」と。
ご本人もこの著書の中で、オリンピックで金メダルを獲れなかったのが心残りだと何度も書かれています。
読んでいて改めて、瀬古さんは世界最強と言われたマラソンランナーだったんだなと感じました。
ご自身の経験を含めて今のマラソン界についてを瀬古さんの視点で書かれています。
この本は、マラソン入門書とは異なります。今、マラソンブームと呼ばれていますが、瀬古さんはマラソンの辛さ、過酷さを正直に書いています。マラソン初心者の方、これから走ろうと思っている方にはもしかしたら不向きかもしれません。それは、マラソンの厳しさを切実に書かれているからです。私は、そうだろうなと分かっているので、ふんふん、なるほどと思いながら読んでいましたが。
でも、そういう人が読んでフルマラソンを1度も練習しないで走るとかバカげたことを考える人が少しでも減ればとも思いますけど(ぼそぼそ…)
私がマラソンをするようになったのは小学生の時です。ランニングと言った方がいいかもしれませんが。父親がマラソンをしていたので半ば強制的に走らされていました。なので、小中学生の頃はただただ嫌で、どうしてせっかくの休みの日に市民マラソンなんかに出なきゃいけないんだと思っていました。それでも次第に走ることが楽しくなって自分から走るようになっていきました。大学生になってからですかね…。私は本当に楽しむ程度なので瀬古さんの意見に反しているかもしれませんが^^;仕事が早番の時と遅番の時、休みの時、1週間に3〜5日走ってます。
だからかマラソンや駅伝の中継をよく見るようになりました。大学生の選手も実業団の選手も結構詳しいと思います。多分。瀬古さんのおっしゃる通り、見ていると止まらなくなります。CM中に変化があるんじゃないかと思い、CMすら煩わしく感じるくらいです。最近はやたらとトップしか映さなかったり、どこかドラマチックな演出にしてる傾向がありますけど、それでも観るのは好きです。
瀬古さんがマラソン界、特に男子マラソン界について独自の考えを示していらっしゃいましたが、私も瀬古さんと同じ意見です。やっぱり瀬古さんは凄い人なんだってちゃんと思えました。(失礼な)男子マラソンはこれからまた変わっていくと思いますし、十分強くなれると思いますし、箱根駅伝が選手をつぶしているとは思っていません。今までもこれからも想いは変わっていません。ずっと見続けて応援していこうと思います。
瀬古さんは解説をされているときも良く名前を出されていましたが、中村清さんという方は素晴らしい指導者だったんですね。それを知ることが出来て良かったです。

<実業之日本社 2012.2>H24.4.6読了