文明の子文明の子
著者:太田 光
ダイヤモンド社(2012-01-20)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

地球、そして地球とは別の進化を成し遂げた星の過去と未来に秘められた謎。新たな文明へと踏み出すために動き始めた子供たち。果たして人類の行く末は生か死か? 絡み合うパラレルワールドが紡ぎ出す壮大な物語!

「マボロシの鳥」はメッセージ性が強すぎて私のような簡単な頭には理解が出来なかったのですが^^;今回は大丈夫・・・でした。多分。
前作と同じように短編がたくさん続いていくのですが、それを読み進めていくとだんだん繋がっていることが分かっていきます。
読み進めていくと「あれ?」と思い読み返して「ここにつながっていたんだ!」と思うところが多々…。
どこがどうつながっているのかというのは一言では言い表せず、そして全部は理解できていないと思いますがとにかく素晴らしい。
ここ数年の出来事も織り交ぜながら「赤ちゃんポスト」とか「中国のパクリアミューズメントパーク」とか「女性は子どもを産む機械発言」とか^^;
でもそれも物語をつなげていくんですから凄いです。
文明の子という表題も最後まで読むと納得です。
過去、現在、未来と様々な時代が描かれますがどこでも「未来はいつも面白い」と言っている人がいました。
自分の今生きている時代を嘆いている人もいなかった。
著者が伝えたかったのは、そこなのかなと思いました。
直木賞候補にも本屋大賞候補にも多分上がらないだろうとは思うけど^^;それでもタレント本というくくりにはしてほしくないなと思いましたし、小説として素晴らしかったと思います。

<ダイヤモンド社 2012.1>H24.3.23読了