駅伝流―早稲田はいかに人材を育て最強の組織となったか? (文春新書)駅伝流―早稲田はいかに人材を育て最強の組織となったか? (文春新書)
著者:渡辺 康幸
文藝春秋(2011-11)
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昨シーズン、早稲田大学を史上3校目の大学駅伝三冠に導いた渡辺康幸監督。しかし、就任以来7年間の道のりは、決して平坦なものではなかった。2年連続シード落ち、主力選手の故障、OBら関係者からの圧力……。こうした逆境を跳ね返し、長く低迷していた早大の駅伝をいかにして立て直したのか。角刈り・風呂当番など意味のない伝統の廃止、スカウティングの強化、信頼できる参謀の存在……など、勝つための組織論を語る。

最初の感想。2011年中に読めれば良かったなと思いました^^;
でもまあ良いんです。早稲田が強くなったことに変わりはないので。
という事で読みました。
去年度、出雲駅伝、全日本大学駅伝、そして箱根駅伝で優勝し、史上3校目の3冠を達成した早稲田大学。ほんっとうに、見てて感動して、渡辺監督が胴上げで宙を舞っていた時、私は涙が止まりませんでした。
本当に大変だったんだろうという事は、早稲田の低迷時期も駅伝を通してみてきたので知ってました。
内情も色々知ることが出来て面白かったです。早稲田に限らずですけど、やっぱり資金繰りとかスカウトとか指導とか大変なんですね…。本当に大変そう。
そして渡辺監督が早稲田大の職員じゃなかったことに1番驚きましたよ。エスビーからの出向社員なんですね〜。それまた難しい立ち位置で^^;それでも30歳そこそこからの監督業。今でいう東洋大の監督や國學院大の監督と同じくらいの年から始められていたんですよね。本当に大変だったと思います。
ご自分でもおっしゃっていましたが「名選手、名監督にあらず」という言葉を見事に覆したと思います。
去年は本当に素晴らしかったですから。
なでしこJAPANの佐々木監督の著書「なでしこ力」を読んだ時も思いましたが、名監督は持論だけではなく、コーチやマネージャー、そして選手の意見をきちんと取り入れ吸収する人のことを言うんだと思います。そこが凄く共通しているなと今回読んでいて感じたので。
私が早稲田が勝ちそうだと思ったのは、やはり竹澤選手が入った時だと思います。監督もおっしゃっていましたが、本当に物凄い逸材だ!って素人目の私でも思いましたもん。故障をしていて、エントリー変更になってもちゃんと結果を残すって凄いと思います。だから、きっと竹澤選手がいるときに優勝したかったんだろうなとも思っていました。渡辺監督が瀬古さんの走りを見て早稲田に行きたいと思ったように、竹澤選手も小学生の時に渡辺監督を見て早稲田に入りたいって思ったんですもん。何だか運命的なものを感じちゃいます。卒業してエスビーに所属していますしね。竹澤選手が4年生の時、往路で優勝して復路に逆転されて総合2位になった時、2位でも十分凄いんですけど、テレビに出演していた三輪選手が「竹澤を胴上げしたかった」と言った言葉が物凄く印象に残っているんです。
監督も書かれていましたけど、個人プレーでもあり、連携プレー、チームプレーなんですよね。凄い選手だった竹澤選手がいても勝てなかった。エースが必要なのではなく総合力が必要。そう改められたそうです。
去年は本当にその結果優勝に結び付いたんだと思います。1、3年生は入学時から取り上げられていた花形選手が多かったけど、4年生はそれほど有名な選手はいなくて。優勝した後は「雑草軍団」何て言われていましたけど^^;その4年生が本当に素晴らしかった。5区の猪俣選手が柏原選手にぬかされたけど、喰らいつき、タイムを縮めるという走りをしたのも大きかったですし、6区の高野選手の転んだけどくらいついて追い抜いたのも大きかったと思うし…。あ、語ると止まらなくなる。止めよう^^;
読んでいて感動したのだけど、最後の文面を読んでやっぱり去年読みたかったなとも思って^^;
それでも、本当に読んでよかったです。来年は王座を奪還してほしいなと思います。

<文芸春秋 2011.11>H24.3.2読了