続・森崎書店の日々 (小学館文庫)続・森崎書店の日々 (小学館文庫)
著者:八木沢 里志
小学館(2011-12-06)
販売元:Amazon.co.jp
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オススメ!
本の街・神保町で近代文学を扱う古書店「森崎書店」。叔父のサトルが経営するこの店は二年前失意に沈んでいた貴子の心を癒してくれた場所だ。いまでは一時期出奔していた妻の桃子も店を手伝うようになり、貴子も休みの日のたび顔を見せていた。店で知り合った和田との交際も順調に進んでいたが、ある日、貴子は彼が喫茶店で昔の恋人と会っているのを目撃してしまう。一方、病後の桃子を労う様子のない叔父を目にし、貴子は夫婦での温泉旅行を手配するが、戻って来てから叔父の様子はどこかおかしくて…。書店を舞台に、やさしく温かな日々を綴った希望の物語。映画化された「ちよだ文学賞」大賞受賞作品の続編小説。

「森崎書店の日々」の続編です。
映画も観たいって言ってたのに結局見ていなかった・・・
前作から変わりない日々。1年後くらいなのかな?
貴子も忙しく仕事をこなしていて、でも変わらず古書店へ出向くし彼氏の和田君とも相変わらず。でも、不安を覚えることもあって。
今回オススメを付けたのは、以前以上に貴子の気持ちが分かったからでした。分かったというか似てる部分があるなと思ったので。
和田君に対して一緒にいて幸せだけど不安だっていう気持ちもとても分かったし。
自分を伝えるって結構勇気がいることなんですよね。
和田2号に言われたこと、私もそのまま前の職場の人に言われたことがあります。
会社と家を直行直帰。飲みにも行かないし、休日は家にいる。そんなことを言ったら「一体何を楽しみに生きてるの?」って言われたことがある。
じゃあ何か?あんたの言う楽しみっていうのは毎日飲み歩くことなのか!?合コンして若いねぇちゃんとおしゃべりすることなのか!?って言いかえさなかったけど心の中で思ったことがある。
和田2号もそうだけど、自分のモノサシだけでモノを判断する人は大っ嫌いだ。
そんな奴は放っておけばいい。貴子の周りにはちゃんと貴子のことを分かってくれる人がたくさんいて、良いなって思った。だから貴子は貴子のままでいてほしいなと思いました。
叔父さんのこと、桃子さんのこといろいろあったけど、それを乗り越えて叔父さんも孝子も前を向いて行ってほしいなと思います。
たくさんの素敵な人にこの本で出会えて、とても癒された作品でした。

<小学館 2011.12>H24.2.9読了