猫柳十一弦の後悔 不可能犯罪定数 (講談社ノベルス)猫柳十一弦の後悔 不可能犯罪定数 (講談社ノベルス)
著者:北山 猛邦
講談社(2011-12-07)
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オススメ!
日本で唯一、探偵助手に関する技能と実戦を学べる、大東亜帝国大学・探偵助手学部。そこに通う2年生、君橋君人(クンクン)と月々守(マモル)は、ゼミ希望調査の時期を迎えていた。しかし、2人揃って第1、第2希望のゼミを落ち続け、悪ふざけで出した第3希望のゼミ行きが決定してしまう。そのゼミとは知名度ゼロの『猫柳十一弦ゼミ』。さっそく研究室に向かった2人は少女のような風貌の女性と遭遇した。そう、その人こそ指導教官、探偵・猫柳十一弦(25歳)!
猫柳は「ちゃんとあなたたちの面倒を見ます。わたしに任せてください。立派な探偵助手にしてみせます」と云うのだが、普段の行動を見ているとどうも頼りない。それに探偵としての経歴も不詳で実に怪しい……「この人の下では立派な探偵助手になれないのか?」(涙)とショックを受ける君橋と月々。
そんな弱小ゼミに名門・雪ノ下樹ゼミと合同研修が出来るという朗報が届いた。君橋たちは人生大逆転をめざし、猫柳とともに孤島へ向かう。
ところが合宿初日に事件発生。とても奇怪な姿で絶命した女子学生が発見される。これをきっかけに連続する凶悪事件。嵐のため島外に出られず、本土から助けも来ない状況の中、“功績不明”の猫柳探偵と“経験ゼロ”の大学生たちは殺人事件を止められるのか? 
ストーリーテラーとしてますます磨きがかかってきたメフィスト賞作家・北山猛邦が描く青春ミステリ。圧倒的なリーダビリティと本格ミステリ魂で読み手の心を翻弄します。そしてカバーイラストは大人気イラストレーター・カスヤナガトが担当。北山ミステリの世界観を美しく爽やかなタッチで描き上げました。

結構グロテスクでダークな内容だったのでオススメをつけようか悩んだのですがつけました。面白かったので。
北山さんの作品は「少年検閲官」を読んで以来新刊が出たら読んでいます。それ以前の本にはまだ着手できていないのですが。
作風はミステリなのですが、あっさりしたのもありゆる〜いのもあり、シュールなのもあり。今回は殺人事件の内容に関してはかなりダークな方だったと思います。
最初の内容もかなり突飛な内容。日本で唯一探偵助手としての技術を学べる大学に通う大学生たちが演習のために行った無人島が舞台。
そしてそこで殺人事件が起きます。
殺人事件に関しては誰が被害者になるのか、どれだけ犠牲が出るのか、トリックは?犯人は?と気になるところ満載で、割とテンポよく展開が進んでいくのでとても読みやすかったですし、読む手が止まりませんでした。
最初から中盤までずっと気配があるんだかないんだか。しっかりしているんだかいないんだかの猫柳先生が徐々に能力を発揮していきます。読んでいくうちに始めにひかれていた伏線も分かってきたり思わぬ人がいきなり登場したり、終盤は結構怒涛な展開でした。
最後の解決篇の推理が長かったけど^^;でもそれはまあしょうがないとして。
ミッシング・リンクの正体?もまさかまさかですよ。そんなの誰も思いつきませんて。
その観点から思い浮かぶ殺人事件って凄いなぁと思いました。
動機に関しても納得で、流石北山さんだなぁと思います。
今までの北山さんの作品になかったラブっぽい要素も若干ほわんと登場したのだけど、最後のセリフは意図的になの?それとも鈍いの?どっちなんだろう。
何で最後にそう言っちゃうの!バカ!と最後に主人公をののしって読み終えました^^;
今年中に過去の作品も読んでいけたらいいなと思います。

<講談社 2011.12>H24.2.1読了