あまからカルテットあまからカルテット
著者:柚木 麻子
文藝春秋(2011-10)
販売元:Amazon.co.jp
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「終点のあの子」作者の誰もが待ち焦がれた新作は、仲良し四人組の探偵小説。ピアノ講師の咲子、編集者の薫子、美容部員の満里子、料理上手な由香子。恋愛の荒波も、仕事の浮き沈みも、四人の絆で乗り越えてみせる。
「恋する稲荷寿司」いつもは4人で集まると聞く側の咲子が珍しく自分発信で話を始めた。ピアノ教室の方々と一緒に行った花火大会で隣にいた男性に一目ぼれしたのだという。しかし、その男性の手がかりは稲荷寿司だけだった。
「はにかむ甘食」主婦の由香子は薫子の担当している雑誌に料理を載せたことでブログも話題になった。その反面、ネット・バッシングに合い、家に閉じこもるようになってしまった。
「胸さわぎのハイボール」満里子は彼氏の高須君が酔っているときに呼んだ「雪子」という女性が気になっていた。その人は居酒屋で店主として働いていた。誤解だと2人は言うが、満里子の気持ちは収まらない。
「てんてこ舞いにラー油」薫子は部署が変わり忙しい毎日を送っていた。引っ越して段ボールが散乱しているのに片づけもできていない。まともに料理もできない中、玄関のドアノブにかかっていた手作りのラー油に救われる。
「おせちでカルテット」外は猛吹雪。薫子の家でおせちを作ろうとしていた4人だったがそれぞれ災難に見舞われる。

初読みの作家さんでした。面白かったです!
また年齢設定が絶妙なんですよね。28歳。お話の中で少し時間は経過しますが。
もう、ちょうど結婚するかしないか、仕事にいそしんでいていいのかみたいなそんなことを考えるお年頃ですよね。付き合っている人がいたら、いつプロポーズしてくれるのかなとか。
出てくる4人はちょっと日常よりも突出している気はしたけど、それでも気持ちが分かるところはたくさんあって、共感できました。
4人それぞれ全く違うのだけど、違うからお互い惹かれ合うっていうことがありますよね。私はそういう人はいないけど^^;うまくはまる人っているんだろうな。そういう人がいるほうが、それこそ自分が壁にぶつかっているときに違う感性を持っている人のほうが良いアドバイスをしてくれたりするのかなとも思う。
4人それぞれが素敵でした。
満里子だけ共感できない部分が多かったけど、仕事に対する熱意とか愛情とか、そういうのを感じて印象がまた変わってきました。
この4人だったらどんなことがあってもまた乗り越えられる気がします。
柚木さんの作品、他のも読んでみようと思います。
あらすじ書いておいて「終点のあの子」は未読なので^^;

〈文芸春秋 2011.10〉H23.11.28読了