水底フェスタ水底フェスタ
著者:辻村 深月
文藝春秋(2011-08-24)
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村も母親も捨てて東京でモデルとなった由貴美。突如帰郷してきた彼女に魅了された広海は、村長選挙を巡る不正を暴き“村を売る”ため協力する。だが、由貴美が本当に欲しいものは別にあった―。そしてフェスの夜に事件が起きる。

う〜ん・・・う〜ん・・・どう表現したらいいのでしょう。難しいです。
辻村作品を全部読んでいるわけではないので間違っているかもしれませんが、今までの辻村作品とテイストが少し違う気がします。
辻村さんの書かれる学校生活は女子生徒の心理戦が散りばめられている気がするのですが、今回の主人公は高校生の男の子。
その広海が始めは、とても素直で真っ直ぐでキラキラしてたと思う。良い子だなとおもった。
でも、由貴美と出会った事で・・・。良かったのかなぁ。悪かったのかなぁ。
広海はいいように使われたような気もするのだけど・・・う〜ん。
結末は置いておいて、由貴美が帰ってきて行おうとしていること、村と言う小さな世界での闇、もう読んでいて純粋な広海がどうなっちゃうんだろうってそればかりが気になって読む手が止まらないような読み進めたくないような(どっちだ)
展開がどうなって行くのだろうと気になってしょうがなくて結局読むのが止まらなかったのだけど、2人のことがバレたあたりからは広海以外は誰が本当のことを話しているのか分からなくてただただ気持ちが悪かった。
広海の母親の言葉や行動が気持ち悪くて虫唾が走ったのだけど、素敵だと思っていた父親の本当の顔が見えてきたらその行動も仕方がないのかと思ったりもして。でも嫌いだったけど。
村と言う隔離された空間での異様な人々の連帯感が気持ち悪くてしょうがなかった。
もう村全体が一種の宗教のようでした。
1番まともで冷静だったのは、達哉だったのかもしれないですね。
達哉の不器用な優しさが分かった時、私もとても切なくなりました。
きっと、お互いに1番の理解者だったんですよね。
最後はここで終わりかよ!ってびっくりしました。
う〜ん・・・う〜ん・・・。
あ〜!!もやもやする!
辻村作品では今までにない読了感で、正直戸惑っています^^;

<文芸春秋 2011.8>H23.9.30読了