キノの旅〈2〉the Beautiful World (電撃文庫)キノの旅〈2〉the Beautiful World (電撃文庫)
著者:時雨沢 恵一
メディアワークス(2000-10)
販売元:Amazon.co.jp
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砂と岩の砂漠の真ん中で、キノは空を見上げていた。晴れている。頭を下げて、石造りの口を開ける井戸を見た。涸れている。「だから言ったとおりだよ。最初からこれじゃあ旅なんて無理だよ。キノ。旅人に一番必要なのは、決断力だよ。それは新人でも、熟練の旅人でも同じ。違う?」「いいや、エルメス。それはきっと運だよ。旅人に一番必要なのは、最後まであがいた後に自分を助けてくれるもの。運さ」人間キノと言葉を話す二輪車エルメスの旅の話。
「第一話 人を喰った話」
雪原で死に掛けている男たちがいた。キノはウサギを撃ち、男たちに食べさせる。
「第二話 過保護」
夫婦が子どものことでもめていた。父親は子どもが戦地に行くのに防弾チョッキはいらないといい、母親は付けさせろと言う。
「第三話 魔法使いの国」
キノとエルメスが来た国はホテルがないため迎賓館に呼ばれる。そこで国長に銅像をどけてほしいと意見を言いにニーミャという女性がやってくる。どけると空を飛べると言い出した。
「第四話 自由報道の国」
その国に住む男性が、人のモトラドに座ったことで持ち主が男性にパースエイダーを発砲すると言う事件が起きた。それからこの事件についての様々な憶測が飛び交う。
「第五話 絵の話」
旅の途中、キノたちは絵描きに会う。その絵描きは戦争の絵、戦車の絵を嬉しそうに描いていた。
「第六話 帰郷」
5年前に旅に出た俺は故郷へ帰ってきた。母親と、妹のように一緒に育ったトートは反対していた。きっと、よく帰ってきたと喜ばれるはずだ。
「第七話 本の国」
キノとエルメスが来た国は図書館がいくつもあり、みんなが本を読んでいる国。キノは一人の青年に会う。青年は本を読むのが好きだが、自分で物語を書きたいのだと言う。
「第八話 優しい国」
キノが次に向かう国は、旅人からは行かない方がいいと言われている国だった。旅人を全く歓迎せずに冷たい態度を取ると言うのだ。しかし、行ってみると国民はみんな優しく、とても過ごしやすい空間だった。
「続・絵の話」
シズと陸は絵を描く青年に出会う。青年は戦争の絵で儲けたが、今は戦争の絵を描くと国の人々に酷い扱いを受けているのだと言う。

キノの旅第2弾です。
連作短編で短い作品も多いんですけど、凄く深い。
短い話で読者に考えさせる時間を与えているような感じがします。
「過保護」の子どもに防弾チョッキを着せるか着せないかと言う問題を問う親とか、ちょっと怖かったです。根本的な戦争へ行くという問題はスルーなの?子どもの意見は聞かないの?って問いたくなりました。きっとあの親子は聞く耳もたなそうですけど。
1番印象的な物語は最後の「優しい国」でした。
旅人から良い話を聞かなかった国でキノは今まで過ごした国で1番と言っていいほど楽しい時間を過ごしていて、何か裏があるんじゃないか。キノが暗殺の危機とかあるんじゃないか?なんて思ったのだけど^^;
そんなことではなかったですね。
もっと深い問題でした。どうして冷たくしていたのかは分からなかったけど、自分たちが境地に立ったときに回りに誰もいない。知ってくれる人がいないと言うのは、辛いですよね。何か誰かに爪あとを残したいと言う国民の想いがさくらの手紙に全てつづられていたと思います。切なかったです。
キノの旅は私の中ではまだ始まったばかりです^^
どんどん読んでいきますよ〜(積読本に悩まされなければ)

〈メディアワークス 2000.10〉H23.9.17読了