回廊亭殺人事件 (光文社文庫)回廊亭殺人事件 (光文社文庫)
著者:東野 圭吾
光文社(1994-11)
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一代で財を成した一ケ原高顕が死んだ。妻子を持たない高顕の莫大な財産の相続にあたり、彼の遺言状が一族の前で公開されることになった。公開場所は旅館“回廊亭”。一族の他には、菊代という老婆が招待されていた。だが、菊代の真の目的は、半年前に回廊亭で起きた心中事件の真相を探ることだった…。その夜、第一の殺人が。斬新な趣向を凝らした傑作長編推理。

ネタバレあります

最近ドラマ化されたものの一つですよね。
読み始めたときから、本間菊代が桐生枝梨子だといつばれるんだろうかとドキドキしながら読みました。読む手は止まらずあっという間に読んでしまいました。
殺人事件は古典的なものだったと思います。始めに旅館の見取り図もありましたし。
それでも、出てくる人たちの人間模様が絡みすぎていて、また復讐すべき相手が誰なのか何を隠しているのかそれが気になって気になってしょうがなかったです。
遺産目当ての生臭い話は何だかなーと思いながら読んでましたが。
なんだか低レベルな争いと言うか、皆が皆甘ったれてるなぁとしか思わず。
事件の真相は驚きました。というか、始めはよく分からなくて^^;
え?え?どういうこと?と思いながら読み進めていって結構最後の方でこういうことだったのかとわかった感じです。
ラストは中途半端なようなここでちょうどいいのかと思うような。複雑です。
でも、ただただ枝梨子が可哀相でなりませんでした。
彼女は何も悪いことはしていないのに。ただ、ジローを心から愛していただけなのに。
自分の容姿に自信が持てず、仕事に打ち込んで恋愛と言うものを知らなかった枝梨子に対して、彼が犯した罪は重いです。枝梨子の気持ちを分かっているから尚更。
最後に彼が枝梨子に放った言葉も許せません。
枝梨子は、過去と決別して幸せになって欲しかったなぁ。
にしてもこの作品、どうやってドラマ化したのでしょう。今更ながら気になりました。

〈光文社 1994.11〉H23.8.9読了