
著者:畠中 恵
新潮社(2011-03-22)
販売元:Amazon.co.jp
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兄上、なぜ亡くなってしまったのですか? 愛しい千穂殿、あなたはいま何処に? 兄の後を受け留守居役となった〈平々々凡々々〉な新之介。湯水の如く金を使い、他藩や幕府の動向を探るのが役目、のはずだった。だが、困窮する弱小藩ゆえ、碌な仕事ができそうにない。そこに勃発した藩取りつぶしの一大事! どうする、新之介? 畠中〈新世界(ニュー・ワールド)〉誕生!
この本を読むまで留守居役という仕事の存在を知りませんでした。
しかも藩の悩みごとは一手に引き受けているようでメンタルが強くて胃腸も強い人じゃないとやり遂げられる仕事ではないですよね。そういう意味では失敗ばかりだけどちゃんと立ち直る新之介は強い男なのだと思います。
兄、千太郎の謎の死を知るために兄と同じ職に尽きますが上司には期待されていないし同僚にはボコボコにされるし、なんとまあ頼りない留守居役。
しかし、兄が死に、千穂殿の父親が藩を捨てた理由が分かると、再び訪れた藩の危機を何とか乗り越えようと必死に動きます。
新米留守居役が頑張る姿に回りも触発されていきましたよね。生意気な!って思っている人もいましたが。その気持ちも分からなくはなかったです。人間ですから。でも、最終的には皆さん努力は認めていたように感じたので良かったです。
留守居役として頑張る新之介が、現代の社会でも重なる部分があるなと思いました。
新之介を現代の社会人として当てはめた時に、ここまで打たれても打たれても頑張ることが出来るかなって思いながら読みました。
もっともっと打たれ強くならないとダメですよね。
新潮社のHPでちょちょらの相関図が出ていました。
続編が出るのでしょうか?
また新之介に会いたいなと思います。今後のことも気になりますし^^
〈新潮社 2011.3〉H23.8.2読了