
著者:東野 圭吾
光文社(1990-12)
販売元:Amazon.co.jp
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「気が小さいのさ」あたしが覚えている彼の最後の言葉だ。あたしの恋人が殺された。彼は最近「狙われている」と怯えていた。そして、彼の遺品の中から、大切な資料が盗まれた。女流推理作家のあたしは、編集者の冬子とともに真相を追う。しかし彼を接点に、次々と人が殺されて…。サスペンス溢れる本格推理力作。
東野圭吾の初期の作品です。最近ドラマ化もされましたよね。図書館にあった本がぼろぼろになり、再度購入されていたので読んでみました。(そんな理由^^;)
ストーリー自体は25年近くも前の作品とは感じなかったのですが、主人公の女流作家が恋人の死の真相を独自で調べていくのだけど、今の時代じゃ考えられない方法だなと思わずにはいられなかったです。
スポーツクラブで主催したツアー参加者の名簿は簡単に見せてもらえるし、連絡先もすぐに分かるし。今だった「個人情報なのでお教えできません」って突っぱねられそうな捜査ばかりだったので。
誰しもが嘘を付いている様で、私は真相にも犯人にも全く到達できなかったのだけど、だからか読む手が止まらずあっという間に読んでしまいました。
女流作家は始めは自信がなさそうで、編集者の萩尾冬子がいなければ何も出来なそうな感じだったのに、恋人が不審な死を遂げたからか逃げずに真相を知ろうとしたところには好感が持てました。
真相は私は意外だと思いました。そうくるかと。
今の東野さんの作品を考えると荒削りな気はしますが私はわりと好きな作品でした。
でも、いろいろと切ないですね。
人が利益のため、世間体のために人を利用して人をもののように扱って。
亡くなった人も、生き延びた人も不憫だなと思いました。
<光文社 1987.12
1990.12>H23.7.14読了
この作品は僕も好きです。まず舞台設定がいいのです。いろいろ考えさせられる作品でした。文章も簡潔に書かれて読みやすかったです。苗坊さんは有栖川有栖は読まれてないのですか?本格ミステリ作家ですが0000000