伊坂幸太郎全小説ガイドブック (洋泉社MOOK)伊坂幸太郎全小説ガイドブック (洋泉社MOOK)
洋泉社(2011-04-15)
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『オーデジュボンの祈り』『重力ピエロ』『マリアビートル』etc.
2000年から書かれたすべての小説を徹底解説!
稀代のストーリーテラーが構築する精緻な小説世界の案内書

伊坂さんが今まで出された本について細かく書かれたいわば伊坂攻略本。私は伊坂さんの作品はほぼコンプリートしているので、読んでいて面白かったです。でも、結構前に読んだ本も多かったから、微妙に分からない部分があったのが残念。
キャラクター人気投票があったのですが、1位は黒澤さんでした。まあ、納得。
でも、私が1番好きなのは黒澤さんじゃないんだな。今まで読んだ伊坂作品の中で1番すきなのは「チルドレン」で1番好きなキャラクターは陣内なんです。
いつかリンクしてどっかに出てきてくれないかなと思っているのですが、ずっと出てきてません。残念。
伊坂作品の解説の中に、KYでぶれない男が作品で重要になるとかかれていて、確かに。と納得しちゃいました。確かに現実世界にいたら本当にKYで付き合いたくない男ばかりなんですけど、それでも陣内なんてまさしくそんな感じでそれでもこういう男がいたらいいなと思わせる魅力があるんですよね。特に印象的なのは、これもほんの中に書かれていましたが盲目の永瀬が見知らぬおばちゃんからお金をもらい、普通は怒りの矛先がそのおばちゃんへいくはずなのに、陣内は永瀬がお金をもらったことに対してどうしてお前だけもらえるんだ。ずるいぞって怒るんですよね^^;何だかそれが、変に差別や偏見を持っていなくて良いなって思ったんです。そういう人がいさか作品には多いと思います。そういう奴が、世界を救うんですよね。
あとは伊坂作品に登場する男は決して顔がカッコいいことは書かれていないのにかっこよく感じてしまうと書かれていてそれも納得でした。
確かに物語の中でイケメンと評されているのは重力ピエロの春だけなんですよね。
だけど、「チルドレン」を読んでいて永瀬は絶対カッコいいんだろうな。とか、黒澤もかっこよくて素敵だとか、そんな感想を持っていたもんなぁ。
あ、「ゴールデンスランバー」の青柳はそれなりにかっこよかったって書いてあった気が。不思議ですね。顔は見えないのに。
でも、カッコいい人はそろっているのだけど結婚したいと思う人はなかなかいないという^^;皆さんは「重力ピエロ」の泉水と春のお父さんを挙げるだろうって決定付けていたから悔しくて何おう!と思ったけど、確かにあのお父さんは結婚したら幸せにしてくれそうだよねぇ。あと私は「魔王」の潤也君とだったら結婚したいかな。
なんて、いろんな伊坂作品の復習が出来て楽しい本でした。
最後のほうに伊坂幸太郎検定100というのがあったのだけど、これがかなり難易度が高い。私は途中でくじけてしまったのだけど、この検定に合格点をつける人はいるんだろうか。いるんだろうな。凄いな。

<洋泉社 2011.4.>H23.6.30読了