偉大なる、しゅららぼん偉大なる、しゅららぼん
著者:万城目 学
集英社(2011-04-26)
販売元:Amazon.co.jp
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オススメ!
万城目学の最新作にして、大傑作!!!
琵琶湖畔の街・石走に住み続ける日出家と棗家には、代々受け継がれてきた「力」があった。高校に入学した日出涼介、日出淡十郎、棗広海が偶然同じクラスになった時、力で力を洗う戦いの幕が上がった!

ネタバレあります

また帯とかあらすじで結構持ち上げてるけど・・・と思いましたが面白かったです!
私も今までの作品の中で1番好きかも。帯の言う事もたまにはあっていることもあります。
今回の舞台は滋賀県。また琵琶湖が大きな要素を含んでいるのですが、何だか何かが潜んでいそうな場所ですよね。大きな湖ですし。
今回も前半は長い感じがしたのですが、まあ前置きがもの凄く必要な作品が多いですから仕方ないんですよね^^;
今回は派閥?問題。てっきり日出家と棗家の闘いが繰り広げられるのかと思いきや話は全く想像していない思わぬ展開へと発展していったので驚きました。
万城目さんの作品は本当に湖の民とかいるような気がするから不思議ですよね。
キャラクターが今回も強烈でした。
涼介はまあ普通でしたけど(おい)広海もカッコ良さそうだし、パタ子さんも面白いし、清子は本当にグレートだし、速瀬も面白いし、何より淡十郎が強烈過ぎるでしょ。
それではじめは何気なくというか何も準備もなくのほほんと読んでいたのに、いきなりの展開に驚きました。何だかゲームをやっていて1面から大ボスが出てくるような^^;しかも3日って早すぎやしませんか?
いろいろ突っ込みどころが満載な校長でしたが、なるほどそういう事でしたかと納得。校長と日出家と棗家の戦いがドキドキして面白かったです。
どうなってしまうのかとヒヤヒヤしました。
そして、最後のまさかの展開。あいつめ、顔もいいがかっこいい事をしやがりますね。
最後、何も変わっていないわけではなくてよかったです。涼介と淡十郎と清子の記憶は残っていて、源爺の八郎潟の記憶はちゃんと思い出されて幸せそうで。
そして最後の最後のあの展開。
思わずニヤリとしてしまいましたよ。すんでのところでストーリーが終っていて、そこが憎いですよね。でも、それでいいと思います。
救いのあるラスト、読者がそれぞれ想像して思い描くのが、このストーリーのラストにふさわしいと思いました。
やっぱりマキメさん好き〜。待たせるだけありますね^m^
にしても、しゅららぼんという言葉があんな意味だとは・・・。そのくだらない感じがいいんですよね〜。ストーリーと言い、不思議な言葉と言い、マキメさんの想像力は素晴らしいです。

〈集英社 2011.4〉h23.6.8読了