紫式部の欲望紫式部の欲望
著者:酒井 順子
集英社(2011-04-26)
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したい、されたい、なりたい、ほしい。千年前に紫式部が考えていたこと。秘密をばらしたい、乱暴に迫られたい、待っていてほしい、ほか、紫式部がぐっと身近になる全19章。『源氏物語』の新しい読み方。

酒井さんのエッセイ、今年に入ってからちょこちょこ読んでいます。
金閣寺の小説に関してだったり、旅行記だったり、コスプレしてみたり^m^
酒井さんのエッセイの幅はもの凄く広いですね。
今回のテーマは「源氏物語」というか、紫式部についてでしょうか。
私も源氏物語はちゃんと読んで理解したいと思っているのですが、難しいですよね。
林望さんの「謹訳源氏物語」を読んではいますが、まだ3冊しか読んでいません。
この本を読むことで大まかでも分かればいいなと思っていました。
源氏物語の解説と言うよりは源氏物語を通して紫式部が訴えていた事を考える作品でしたね。
紫式部は今で言うキャリアウーマンのようなポジションで、旦那さんはすぐになくしてずっと独り身だったんですよね。だから正妻として良い思いはしていないから光源氏の正妻だった葵の上や女三宮は源氏にさほど愛されなかったのではないか。とか、酒井さんの視点でいろんな紫式部像が描かれていて面白かったです。
源氏物語の解説も書かれていますが、読めば読むほど源氏ってひどい奴だなぁと思ったり。
だって不法侵入やら強姦まがいのものを平気でしてますからね。地位と容姿だけで許されているような気がします・・・。
紫の上は小さい頃のイメージしかないのですが、源氏の元で自由に育てられたというよりは、源氏の理想的な形に育てられたからずっと縛られ続けていたっていうのはなるほどなと思いました。確かに正妻になったわけではないですもんね。源氏との子供も生まれなかったし・・・。可哀相と思いました。
この本を読んで、改めて源氏物語をちゃんと読みたいと思いました。
林望さんの「謹訳源氏物語」は今のところ五までかな?出ていると思うので、読まなければ!と思いました。

〈集英社 2011.4〉H23.5.28読了