殺意は必ず三度ある (ジョイ・ノベルス)殺意は必ず三度ある (ジョイ・ノベルス)
著者:東川 篤哉
実業之日本社(2006-05-16)
販売元:Amazon.co.jp
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のんきを絵に描いたような鯉ヶ窪学園。敗退を続ける野球部グラウンドからベースが盗まれてしまう。オレ(=赤坂通)が唯一の下級生として在籍する探偵部員の総力を結集しても謎は解けない。後日、野球部とライバル校との練習試合終盤に事件は起きた。白昼堂々、球場で発見された野球部監督の死体に騒然となる両校関係者と捜査陣。動機は不明、球場ではアリバイ実験も行われるなど混迷をきわめる事件に、オレたち探偵部三人が事件に首を突っ込んだ。しょうもない推理合戦の先に待つものは…。

怒涛のように予約して、今怒涛のように来ている東川作品^^;
鯉ヶ窪学園シリーズ第2弾です。この2冊とスピンオフの「放課後はミステリーとともに」でこのシリーズは今のところ終わりなんでしょうか。
今回も探偵部の3人ははじけていますねぇ。殺人事件が起きているのにこのギャグっぽさがいいです。ミステリ小説をギャグ化でいるのって凄いよなぁと、今更ながら思っています^^;
今回も面白かったです!
鯉ヶ窪学園野球部のベースが全て盗まれ、こんな暇な奴しかしなそうな悪戯をするのは探偵部の3人に決まってると勝手に犯人扱いされ、事の重大さが微妙なため有耶無耶になっていた小さな事件が、まさかあんな大きな殺人事件へと変わるとは思いませんでした。
ギャグ感覚はあるけど、ミステリ部分は本当に本格派。
犯人なんて全然分かりませんでした。あの中にいるだろうなくらいしか分からなかったし。
野球の専門用語もチンプンカンプン。あんな言葉があったんですね。確かに野球用語って物騒な漢字を使った言葉って多いかも・・・。
球場全体を使ったトリックには脱帽でした。あんなトリック絶対に気付かないですよ。本当に凄いです。
でも、そもそもの事件の発端が切なかったかなぁ。
若き日に起こしてしまった小さな事件。それが30年も尾を引くことになるなんて。
それが互いが思っている重みが違えば尚更。
そう思わずにはいられませんでした。
このシリーズも面白かったので、また出してほしいです^^
さ、まだまだ手元に東川さんの作品があるので、読むぞ〜!

〈実業之日本社 2006.5〉H23.5.24読了