先生の隠しごと―僕僕先生先生の隠しごと―僕僕先生
著者:仁木 英之
新潮社(2011-04)
販売元:Amazon.co.jp
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あなたの傷が深いほど、彼の言葉は優しく響く。その名はラクス、見目麗しき光の王―彼がプロポーズした相手は、なんと僕僕なのだった。いつもクールな美少女仙人の心が、悲しすぎる愛の記憶でグラグラ揺れる。お待たせ最新作、中国冒険ロードノベル第5弾。

さびしい女神の続きから書かれていたのですが、すーっかり忘れていた私は蚕嬢を思い出すのも苦労しました^^;そうだそうだ、いましたいました。
失礼いたしました。
今回は最後までどうなるのかハラハラしました。
最後は王弁のところへ戻ってきてくれると思っていても。
働かなくてもいい諍いのない国。人は争わず傷つかなくてもいい国。それは理想的ではあるけど、その国の方針の妨げになる者を追放し殺してまで得るべきものなのかと言うとそれは違うと思う。
僕僕先生も今回は乙女でしたねぇ。そしてやっぱり女性だったんですね。だったのか?たまにおじいちゃんの姿になって王弁をからかっているので結局どれが正しいんだ?とちょっと思っていたんです。
先生が今回はなんだか様子が変だったので何故だろうと思っていたのですが、仙人とは言え過去のものに縋りたくなる時もあるんですね。そしてきっと、過去の人を守ることが出来なかったから尚更。
過去は過去、今の人は今の人で別人なのに。
そういうものでは片付けられないんですよね。
今回は薄妃が素敵でした。始めはちゃんと見ていないとどこかへ飛んでいってしまいそうなくらい儚いイメージでしたが、なんだかどっしりとした佇まいでしたよね。国に住む派手な服も着てみたいという少女達に一生懸命布を織る姿はとても素敵でした。そして、今回は誰よりも僕僕のことを分かっていたのかな。それは辛い男女の別れを経験しているから分かる事で。
王弁もかっこよかったですよ。薬師として王弁はたくさんの人の命も気持ちも救ったと思います。
何だかんだで僕僕の今の必要な存在は王弁だと思うので、元の鞘に戻ってほっとしました。
まだまだシリーズは続きますよね。僕僕の過去をほんの少しだけ垣間見ましたが、まだまだ奥深いものがありそうです。
僕僕と王弁の関係も、どうなるんでしょうね〜。
僕僕の「知ってるかい?酒は旨いんだよ。楽しく飲める相手がいると特にね」と言う言葉にはニマニマしちゃいました^^

〈新潮社 2011.4〉H23.5.19読了