カッコウの卵は誰のものカッコウの卵は誰のもの
著者:東野 圭吾
光文社(2010-01-20)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

スキーの元日本代表・緋田には、同じくスキーヤーの娘・風美がいる。母親の智代は、風美が2歳になる前に自殺していた。緋田は、智代の遺品から流産の事実を知る。では、風美の出生は? そんななか、緋田父子の遺伝子についてスポーツ医学的研究の要請が……。さらに、風美の競技出場を妨害する脅迫状が届く。複雑にもつれた殺意……。超人気作家の意欲作!

ネタバレあります

予約の出だしが遅れて、届いたのは1年4ヵ月後でした^^;なんと〜。
東野さんは本当に冬のスポーツがお好きなんですね。というか、自分の作品に書くことで広めようとしているのでしょうか。それはそれで嬉しいかも。
冬季の競技ってどうしても認知度が低いですから。予算が削られたりスポンサーが降りたりするって言う話も聞きますし・・・。
私は好きですけどね、ジャンプ見るの好きですし。でもそれはやっぱり、北海道に住んでいるからなんだろうな。
だから、作品とは関係ないけど、荻原選手や船木選手や里谷選手の名前が出てきたのが嬉しかったなぁ。
ということで今回の作品について。
遺伝子の研究に協力しない段階で怪しいと思いましたが、始めの展開から、最後の首謀者は全く検討がつきませんでした。
てっきり上条と言う人間が現れて真相もうそういうものだと思っていたのですが(分かりにくいですね^^;)いろんな人間が交錯していてこういう部分は流石東野さんだなと思います。
確かに真相は上条の自業自得だとは思う。でも、もう少し皆が幸せになるものはなかったのかなと思いました。
まあ、そうしてしまうと物語が盛り上がらないとは思うのだけど、柚木が言ったように上条が素直に真実を述べていれば、緋田は余計な詮索や覚悟をせずに応じたと思う。風美は真実を知ってしまうと思うけど、それでも喜んで引き受けると思う。だって、緋田の娘だから。
上条の息子がかわいそうでならない。息子だっていわば被害者なのに。
そして家族も。
ミステリ要素は満載で面白かったです。最近東野さんは最後が爽快感を残して終る事が多いですよね。それが私は好きです。
でも、やっぱり「ん?」と思う部分も無きにしも非ずで。
島越の存在をどうして知ったのかとか。
緋田の奥さんの自殺も気になる・・・。
まあいいんです。面白かったです。
でも、息子さんが不憫だなぁ・・・。

〈光文社 2010.1〉H23.5.16読了