
著者:三木 笙子
東京創元社(2009-12-11)
販売元:Amazon.co.jp
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オススメ!
「世界記憶コンクール」
里見高広は兎屋という質屋へ言っており、主人と主人の息子博一と顔見知りになっていた。通うようになって噂が耳に入ってくるようになったのだが、2人は血が繋がっていないらしい。だからか、2人がギクシャクしているようにも見えた。ある日、博一が高広に「記憶で世界一を決めるコンクールはあるか?」とたずねてくる。博一の父がその広告を博一に見せたようで、博一は父が自分を邪魔だと思っているのではないかと考える。
「氷のような女」
里見基博が政治家となるために勉学と地道な活動に勤しんでいた頃の事、巷では悪水氷が出回っていると噂されていた。あるとき、ぬかるみに車輪を取られてひっくり返りそうになっている人力車を助けたところ、お礼にと家に招かれた。その人の名は相模清右衛門といった。よし乃という少女が世話人として常に側にいた。清右衛門はかわいそうな身の上のよし乃に良縁がないかと、氷検査で民間の嘱託医として勤務している和仁という人物を気にしているようだった。
「黄金の日々」
森恵は18となり、美術の専門学校へ通うようになった。仲の良い友達とはいえないが気になっている同級生がいる。唐澤幸生という名だが混血で外国人のような風貌をしている。彼の養父は唐澤清山と言う有名な陶工だった。彼はもう他界しているが、200年前に断絶している久尻焼のうわ薬の製造方法を研究していたようで、ひとり暮らしとなった幸生の元へたくさんの人が訪れているらしい。
「生人形の涙」
高広は英国からやってくるアーリントン卿を張って待っていた。なかなか訪れずアテがはずれたかと思っていると、近くで怒号が聞こえる。その場へ行くと商人と英国人がなにやらもめていた。英語を話す事ができる高広がその場を沈めると、その英国人―アーリントン卿が助けてくれたお礼にと高広にかつて自分が経験し、謎が解けないままでいる出来事を話し始めた。
ネタバレあります。
面白かったです〜!!
前作に増して面白かったです!それはきっと、高広の父基博の馴れ初めや高広と礼の出会いが書かれていたからだと思うけど。何だかニヤニヤが止まりませんでした。
面白いです。このシリーズ大好きです、高広と礼が好きです〜!
と、失礼しました。取り乱しました。
時系列が微妙にずれていてはじめは「え?え?」と思うときもあったのですが、読み薦めていくうちに納得できました。
はじめの「世界記憶コンクール」これは絶対に何か裏があるなと思いましたが、まさか身内で身内の首を絞めるような事をするとは。
父の経営のために生まれた息子。自分は家業を継ぐという事は分かっているのだけど、それでも自分のやりたいことをしたいという想いはあったって良いと思う。どんな時代でも。でも、その想いを根底から否定するように仕向けた父親は最低だと思う。犯人だけを責める事は出来ないなと思った。
「氷のような女」は可愛らしいじゃないですか^^いまや泣く子も黙る司法大臣の里見基博が政治家になる前の話。ついでになれ初め話。とても可愛らしかったです。
窮地に追いやられないと自分の気持ちに気付かないなんて、鈍いですね。でも、とても男らしくて素敵でした。最後に義理の息子の高広に昔話を言って、うじうじしているのに本人の奥さんにいえない姿もまた可愛らしかったです。基博の信念は、政治化になる前からすでに持っていて、決して揺らぐ事のないものだったんですね。カッコイイです。
「黄金の日々」ではちょっと成長した恵が登場。前作で出た時は微妙に人間不信でどうなっても良いやっていう自暴自棄な感じもあったけど、大人になりましたね^^と、エラソウに。友達である幸生を守ろうとするところはとてもかっこよかったです。そして、幸生の素直すぎる性格からいじめをしている側に言った言葉。素晴らしかったと思います。先生が学校の先生にならないかと言ったのが分かりますよね。
出来事の締めもまた素敵です。恵も幸生も、これからの学校生活はきっと大丈夫だなと思いました^^
「生人形の涙」は高広が出てくるのだけど微妙に違和感。有村礼と友人になる前の話なんですね。この生人形の謎も面白そうだと思ったらなにやら高広と礼の出会いまで読めるんじゃ・・・と段々興奮してきました^m^いや〜こちらも面白かったです。にしても、事件の犯人のまあせこい事。日本でもあんな醜い争いがあるのでしょうか。あったらがっかりですね。この件は基博も関わっているけど、礼ははじめは基博の息子だって知らなかったよなぁ・・・どうやって会うんだろう・・・と思っていたら、そういうことですか^m^こういう出会いだったんですね。
礼ってば可愛い!本当にホームズきっかけだったんですね。
あ〜面白かったです〜。第3弾も手元にあるんです。本を返す日順に読んでいるのですぐには読めませんが^^;読みますとも!今から楽しみです。ふふふ。
〈東京創元社 2009.12〉H23.4.13読了
里見大臣のお話が可愛かったですね。もちろん、礼と高広の出会いにもムフフ〜でした(笑)。
私も三作目ちょうど回って来てるところなんです。手元の図書館本がもう少し片付かないと引き取りに行けないのですが^^;でも、楽しみです〜(*^^*)。