隻眼の少女隻眼の少女
著者:麻耶 雄嵩
文藝春秋(2010-09)
販売元:Amazon.co.jp
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古式ゆかしき装束を身にまとい、美少女探偵・御陵みかげ降臨!因習深き寒村で発生した連続殺人。名探偵だった母の跡を継ぎ、みかげは事件の捜査に乗り出した―。

かなりネタバレしてます

以前読んだ「貴族探偵」が面白かったので、そのときに新刊で出ていたこの作品を予約しました。
で、読んでみたのですが・・・。
犯人を知って「えぇ!?」と思って、読んでいくうちに「えー・・・」っていうふうに言ってしまう感じですかねぇ^^;
麻耶さんの作品が好きな方に、気をつけてといいますか、独特ですよと言う話は伺っていたのですが、これは凄い。これは確かに麻耶ワールドですね^^;
私は嫌いじゃないです。受け入れも出来ます。
でも、冷静に考えたら、琴折家の人たちは本当にただとばっちりを受けただけで、意味もなく大切な家族を何人も殺されたってことになりますよね?ただ、殺されたと。
それが本当に悲しくて悔しくて腹が立ちました。
みかげの境遇が可哀相だった事は認めます。それでも、あんな事をする権利はない。ましてやそれから人殺しの真相を探るなんて、そんな権利はないです。
こんなに凄い探偵なのに、静馬が自殺してると思っていることにどうして気付かないんだろうと思っていたのだけど、それにもちゃんと理由があったんですね。いやー本当に腹が立つ。
たった17歳の少女が、こんな卑劣な事を考えられるなんて・・・末恐ろしいです。
でも、最後の最後はほんの少しだけ救いがあった気がします。小さな光がさしたような、2人の姿がとても微笑ましく見えました。
まあ、これからの人生が2人とも過酷そうですけども…。
っていうか、本当に凄いですね^^;
過程が面白くて止まらなくて、深夜になっても読んでたんですよ。それでこの真相…。いや、ダメではないんですけど、ただただ脱帽で、度肝を抜かれた気がします。

〈文芸春秋 2010.9〉H23.4.4読了