謎解きはディナーのあとで謎解きはディナーのあとで
著者:東川 篤哉
小学館(2010-09-02)
販売元:Amazon.co.jp
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ミステリ界に新たなヒーロー誕生! 主人公は、国立署の新米警部である宝生麗子ですが、彼女と事件の話をするうちに真犯人を特定するのは、なんと日本初!?の安楽椅子探偵、執事の影山です。
彼は、いくつもの企業を擁する世界的に有名な「宝生グループ」、宝生家のお嬢様麗子のお抱え運転手です。本当は、プロの探偵か野球選手になりたかったという影山は、謎を解明しない麗子に時に容赦ない暴言を吐きながら、事件の核心に迫っていきます。
本格ものの謎解きを満喫でき、ユーモアたっぷりのふたりの掛け合いが楽しい連作ミステリです。
「殺人現場では靴をお脱ぎください」
麗子が向かった現場には、自宅で何者かに首を絞められて殺害された女性が横たわっていた。しかし、自宅にもかかわらず部屋の真ん中でブーツを履いたまま横たわっていた。
「殺しのワインはいかがでしょう」
大きな屋敷の主人がワインを飲んで死亡していた。死因は毒。主人は家政婦と再婚しようと考えており、それを家族に反対されていたため自殺したのではないかと思われた。しかし、家政婦は殺人だと言い切る。
「綺麗な薔薇には殺意がございます」
老舗ホテルの経営者藤原家の庭で、居候をしていた女性が死亡していた。その女性は長男雅彦の婚約者で、何故かバラのいばらの上で亡くなっていた。
「花嫁は密室の中でございます」
麗子の大学時代の後輩有里が自宅で結婚式を挙げるため、麗子は有里の家へ向かう。有里はウエディングドレスを身に纏いパーティを楽しんでいたのだが、有里の姿が見えなくなる。しばらくして、有里が自分の部屋で背中を刺されているのが見つかる。
「二股にはお気をつけください」
自宅マンションで野崎と言う男性が全裸で死亡していた。目撃証言があり、片方は150センチくらいの女性と一緒に歩いていたといい、片方は170センチくらいの女性を見たと証言している。
「死者からの伝言をどうぞ」
児玉絹江という消費者金融社長が殺された。部屋の中にあったトロフィーで撲殺されたようだ。前夜の食事の時間、息子の和夫と喧嘩になり「ぶっ殺す」とまで言ったらしい。警察は和夫を疑うが・・・

今話題になっていますよね。ようやく順番が回ってきたので読めました。
面白かったです!そして表紙の中村佑介さんのイラストが本当に素敵^^
大企業の令嬢が刑事という設定と事件を解決するのが執事というのもまた面白かったです。
風祭刑事の中途半端な?御曹司の自慢話は腹が立ちましたね~。いやですね~ああやって自分の力ではないのに自慢話をする人って。麗子のように隠し通している人のほうが気品があると思います。
事件の真相も面白かったですが、なにより麗子と執事の掛け合いが面白いです。
麗子は生粋のお嬢様だと思うのですが、たまに出る江戸っ子っぽい雰囲気がお嬢様らしくなくて好きでした^^多少世間知らずっぽいところもありましたけど、常識人だと思いましたし。
また執事の影山の毒舌っぷりが絶妙です。
事件の真相が解けると「失礼ながら、お嬢様の目は節穴でございますか?」なんて仕えているお嬢様に向かって暴言を吐くのがおかしくて。
またいちいち反応してさらに暴言を吐くお嬢様も素敵です^^
影山の素性は謎ですが、2人はいいコンビになりそう。
続編も出て欲しいです。
そして最後には風祭警部に麗子の素性をしれて、今までの自慢話がいかに自分にとって恥ずかしかったのかを知って卒倒して欲しいです^m^

〈小学館 2010.9〉H23.1.12読了