バツリストバツリスト
著者:蒼井上鷹
祥伝社(2010-12-01)
販売元:Amazon.co.jp
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「次の“バツ”は、こいつに決定していいと思うのですが」自殺した息子が遺した一冊のノート。そこには息子を死に追いやった人物たちの名が記されていた。嶋津は復讐に乗り出すが、老体にむち打つ彼に協力者が現れて…。連中を罰したい。

蒼井さんの新刊、今回は長編です。
始めは嶋津と友人下貫の手紙から始まります。
嶋津の奥さんが亡くなった事で再会をしたときから、嶋津の息子和広の話となり、段々雲行きが怪しくなっていきます。
和広の境遇が可哀相で、運がなかったなぁと思いました。
学生の時のいじめや勤務先での苦労、恋愛も本当に報われなかったんだなと言うところが本当に可哀相。何もかもが裏目に出ちゃったんですね・・・。
そこで自殺した息子が残したリストを元に父親が復讐を誓うのですが、すでに父親は70代。人を殺す事がままならない中で思わぬ協力者が出現します。
その協力者は復讐する者たちを「バツリスト」と呼び、次々と人を殺していく。
・・・というのは嶋津だけが思っていることで、実は嶋津を殺人者にしたくないために作戦を練って殺さない方法で復讐を続けている。
蒼井作品ですから、一筋縄では行かないだろうなと思って注意深く読んでいたのですが、解決編はやっぱり何度も読まないと何が真相なのか分かりませんでした^^;
もういろいろ重なって組み合わさってて良く分かりません^^;
でも、面白かったです。
味方同士でも探り合っていて、その心理戦も面白かったですし。
蒼井さんの長編の中でも、私は面白いと思った作品でした。
でも、最後の手紙で余計に真相について混乱したけど^^;

〈祥伝社 2010.12〉H23.1.8読了