
著者:畠中 恵
講談社(2010-11-05)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る
明治二十三年、ミナこと皆川真次郎は西洋菓子屋を開いた。店には、旧幕臣の「若様組」の面々や、女学校に通うお嬢様・沙羅が甘い菓子と安らぎを求めてやってきた。その少し前―。徳川の世であれば、「若殿様」と呼ばれていたはずの旧幕臣の子息・長瀬達は、暮らしのために巡査になることを決意。今は芝愛宕の巡査教習所で訓練を受けていた。ピストル強盗の噂が絶えない物騒な昨今、教習所でも銃に絡む事件が起きた。若様組の他、薩摩出身者、直参で徳川について静岡に行った士族達、商家の子息達、さまざまな生徒に、何やら胡散臭い所長や教員を巻き込んで、犯人捜しが始まる。
「アイスクリン強し」の続編ですね。といってもその作品より数年前?の話だと思いますが。「アイスクリン強し」の話自体が若干曖昧になってきておりますが^^;
ミナの昔からの悪友達がどうして警察官になったかという話ですね。
旧幕臣の長瀬達がどういう経緯で警察官になったのか、それが良く分かりました。
もしも江戸の時代に生まれていたら、悠々自適?に暮らしていたはずの若様組の皆様。
長瀬の経緯が特に驚きました。
みんなを纏め上げ、人望が厚い長瀬だけど、心に秘めているものは人に伝えず自分の中で解決しようとするところが何だかもどかしかったです。
そんな長瀬が相談するくらいだから、ミナとの関係って本当に深いんでしょうね。
ミナが要所要所で登場するのがまた良かったです^^
という事で、いろんな人間模様が書かれていた警察の教習所。
始めは江戸の頃の身分や出身によって分裂し、喧嘩も耐えなかったけど、事件によっていつのまにか団結しているのが良かったです。
きっと、これからもずっと仲間なんでしょうね^^
事件の真相はわりとあっさりした感じがしましたが、最後の戦いを読んでいるとスッキリした気がしました。
〈講談社 2010.10〉H22.1.6読了
明治時代の巡査はこんな風に厳しい訓練時代を過ごしていたんだなぁというのがわかって、興味深かったです。今度は『アイスクリン〜』の後日譚が読みたいですね^^