折れた竜骨 (ミステリ・フロンティア)折れた竜骨 (ミステリ・フロンティア)
著者:米澤 穂信
東京創元社(2010-11-27)
販売元:Amazon.co.jp
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ロンドンから出帆し、波高き北海を三日も進んだあたりに浮かぶソロン諸島。その領主を父に持つアミーナはある日、放浪の旅を続ける騎士ファルク・フィッツジョンと、その従士の少年ニコラに出会う。ファルクはアミーナの父に、御身は恐るべき魔術の使い手である暗殺騎士に命を狙われている、と告げた……。
自然の要塞であったはずの島で暗殺騎士の魔術に斃れた父、「走狗(ミニオン)」候補の八人の容疑者、いずれ劣らぬ怪しげな傭兵たち、沈められた封印の鐘、鍵のかかった塔上の牢から忽然と消えた不死の青年――そして、甦った「呪われたデーン人」の襲来はいつ? 魔術や呪いが跋扈する世界の中で、「推理」の力は果たして真相に辿り着くことができるのか?
現在最も注目を集める俊英が新境地に挑んだ、魔術と剣と謎解きの巨編登場!

ファンタジーというか、日本人が出てこない作品って初めてなのではないでしょうか。
米澤さんもかかれるのに苦労したそうですが。
こういう作品を書きたいと思ったのも、日本のミステリを読み込んでいく上で出会ったありえない設定の物語の数々からだそうで。
米澤さんが読まれた作品は何一つありませんでしたけども。
作品は面白かったです。
でも、多分架空の世界で独特の風習がある雰囲気だったので、それに慣れるのに時間がかかりました。文章が珍しく2段になっていてボーリュムがありました。
ソロンの領主であるローレント・エイルウィンが何者かによって殺される。
東方からやってきた騎士フィッツジョンと従士の少年ニコラとともに領主の娘アミーナは真相を探る。
現場検証やアリバイの確認など、やっていることは刑事事件のようなのだけど、魔術が絡んでいるからまたちょっと違うといいますか・・・
アミーナとニコラがフランス語で自分たちの話をしているところが印象深かったです。
真相は・・・。始め読んでいる時は理解できなかったんですけど^^;
「え?…え!?」っていう・・・。
段々分かっていったんですけど、納得がいくようないかないような・・・。
でも、世界観は素晴らしかったと思います。

〈東京創元社 2010.11〉H22.12.16読了