白銀ジャック (実業之日本社文庫)白銀ジャック (実業之日本社文庫)
著者:東野 圭吾
実業之日本社(2010-10-05)
販売元:Amazon.co.jp
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「我々は、いつ、どこからでも爆破できる」。年の瀬のスキー場に脅迫状が届いた。警察に通報できない状況を嘲笑うかのように繰り返される、山中でのトリッキーな身代金奪取。雪上を乗っ取った犯人の動機は金目当てか、それとも復讐か。すべての鍵は、一年前に血に染まった禁断のゲレンデにあり。今、犯人との命を賭けたレースが始まる。圧倒的な疾走感で読者を翻弄する、痛快サスペンス。

ネタバレあります

いきなり文庫で刊行!と言うので話題になったこの作品。確かに最初から文庫の方が買いやすいかもしれないですね。こっちの方が売れるかも。
って私は図書館ですが^^;すみません。
舞台はスキー場。始めに経営が右肩下がりとか言っているのを聞いて、確かに最近行っていないなぁと思いました。
車で30分かからないくらいでスキー場があるので、小さい頃は毎週のように父親に連れられて行っていましたけど、最近はめっきり。最後に行ったのは大学生の時じゃないかなぁ~
と思っていたので、どこのスキー場もこういう感じなんだろうなと思って読んでいました。
脅迫の内容が変だったので、絶対にお金が目的じゃないなとは思っていましたが、裏側に隠された秘密には本当に腹が立ちました。経営が大事か。人の安全とかそんな事よりもやっぱり金なのかと思ってしまいました。
誰よりもお客様のことを考えているのは当たり前ですけど現場の人間なんですよね。
倉田の紹介の時に、ずっと冬はこの場所で暮らしているから出会いもなくて云々って不満があるような感じで書いていたのだけど、それでもスキーを愛していて、お客様のことを何よりも第一に考えているのが伺えて、良い人なんだろうなって言うのが伝わってきました。
それはパトロール隊の根津や絵留にもいえるんだと思うけど。
経営陣の態度は辟易しました。まあそれにもいろいろあるのだが。
倉田が「お客様への対応はどうしましょう?」と言った時に「お客?客がどうした」という台詞があるのですが、私も倉田同様愕然としました。
本当に自分の事や会社自体のことしか考えていないんだなと思って。
事件とは全然関係ないところだけど、千晶が従兄弟を紹介するくだりで、絵留が躊躇う事なくメールアドレスを交換したり話をしても良いとか言っているのが私は納得できなかったんですが。今はそんな感じなんでしょうか^^;若いもんにはついていけんです。って、設定的に絵留より私は年下ですけど。
でも、始めから絵留の好きな人は分かってましたけどね^^最後は良かったって思いました。
私は老夫婦がやたらと北月エリアにこだわっていたので、その夫婦が怪しいと思っていたのですが、見事にはずれましたね^^;私の推理は当てになりません。
でも、いろんな人がいろいろと事件やらなんやらに絡んでいて、真相がどんどん分かっていった時は面白かったです。
犯人は私は気付きませんでした^^;
にしてもスキー場を舞台にしてこんな作品を書かれるなんて、東野さんは本当に冬のスポーツがお好きなんですね。

〈実業之日本社 2010.10〉H22.12.9読了